円弧アーム

円弧アーム(えんこあーむ)とは、昭和中期~後期に用いられたアームの一つ。
概要[編集]
角型灯器、および初期丸型灯器の世代と樹脂丸型灯器の一部(主に古樹脂と呼ばれる時期)において多く用いられたものとなる。通常アームと比較すると、下部のアームが円弧を描くように設置されていることが特徴。
2025年12月現在、ストレートアームや通常アームへの置き換えが進んでおり残存数は減少しているが、アームを交換せず信号灯器だけを交換する都道府県などでは円弧アームに低コスト灯器や薄型LED灯器が設置されているケースが存在する。
なお、日本信号は原則として円弧アームを採用していない。
種類[編集]
角型灯器世代のアーム(日本信号製を除く)[編集]
別物として扱われることもあるが、便宜上円弧アームとして記す。
角形灯器の場合は、下部のアームが円弧であることは共通しているが、上部のアームが灯器の上部を通るのに対し下部のアームは灯器に直接接続される。京三製作所、小糸工業の角型灯器は円弧アームで設置されていたが、日本信号の角型灯器は今の通常アームとやや近い角ばった下部アームとなっており、これを三角アームと呼ぶこともある。
包丁・包丁未遂のアーム[編集]
詳しくは未遂包丁アームを参照。
宇宙人のアーム[編集]
宇宙人は通常アーム等と同様にアームの先に接続金具を用いて灯器を接続する方式となっており、角型灯器や包丁などのように下部アームが灯器に直接接続することはない。昭和55(1980)年くらいまでの宇宙人は円弧アームによる設置が多く、それ以降は通常アームによる設置に移行している。
樹脂丸型灯器のアーム(古樹脂)[編集]
松下通信工業の昭和50年代の樹脂丸型灯器において採用されていたアーム。アームの形は未遂包丁アームに近く下部アームが途中で切れていることが特徴だが、それと比較して円弧の半径が小さいことから区別される。神奈川県では樹脂丸型灯器から鉄板灯器に更新されるケースがみられた(おそらく昭和40年代の樹脂丸型灯器が設置されていただろう箇所を昭和55(1980)年前後のドットレンズ鉄板で更新するケースが最も多い。現在は絶滅)。