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羽井出 (トーク | 投稿記録)
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ルーバーと視角制限について加筆
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筒形フードのうち、下部の開きがほとんど、あるいは全くないもの。
筒形フードのうち、下部の開きがほとんど、あるいは全くないもの。


== 誤認防止フード(ルーバーフード) ==
== 誤認防止フード(ルーバーフード・視角制限フード) ==
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誤認防止のためにフードの内側に金属板を並べて信号の見える範囲を制限しているフードである。「視'''角'''制限フード」、「視'''角'''制限庇」などとも呼ばれる。鋭角交差点で他の道路から隠す左右制限と、隣接交差点で隣の交差点から隠す上下制限がある<ref>信号電材株式会社. [https://shingo-d.co.jp/other/img/links/pamph01.pdf "外付フード視角制限灯器"], 信号電材株式会社. n.d. , (参照 2025-01-06).</ref>。
誤認防止のためにフードの内側に金属板(ルーバー)を並べて信号の見える範囲を制限しているフードである。「ルーバーフード」などと呼ばれる。鋭角交差点で他の道路から隠す左右制限と、隣接交差点で隣の交差点から隠す上下制限がある。
=== 視角制限フード(SD制限) ===
 
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=== 「ルーバー」と「視角制限(視野角制限、視覚制限)」について ===
視角制限フードは現在、信号電材、日本信号が製造しており、信号電材製の物は特にルーバーと呼ばれ、信号電材の商標名となっている<ref group="注釈">J-PlatPat の商標検索で見つからなかったため、出典があれば加筆をお願いします。</ref>。こちらも上下、左右制限がある。
どちらも金属板を入れた庇であるが、2つの言葉が区別されることがある(神奈川県警など)。公式の資料が少ないため、ここでは複数の説を取り上げる。
{{Notice|text=信頼性の高い資料が無い、複数の説がある事柄に関して取り上げています。正しくない可能性があることに留意してください。}}
 
==== 光が漏れるのがルーバー、漏れないのが視角制限 ====
ルーバーでは金属板に反射した光が漏れてしまうが、視角制限ではそれが対策されているというもの<ref>信号機ラボ. https://x.com/vsp_99/status/1570038054899032064, X. 2021, (参照 2025-01-11).</ref><ref>信号機ラボ. https://x.com/vsp_99/status/1430140470097707015, X. 2021, (参照 2025-01-11).</ref>。この場合、電材[[低コスト]]は視角制限、日信低コストはルーバーである。
 
==== 視野角の調整できるのが視角制限、できないのがルーバー ====
ルーバーのうち、金属板の角度の調整によって視野角を変えられるのが視角制限というもの。
 
==== 視角制限のうち、信号電材製がルーバー ====
視角制限フードは現在、信号電材、日本信号が製造しており、信号電材製の物は特にルーバーと呼ばれ、信号電材の商標名となっている<ref group="注釈">J-PlatPat の商標検索で見つからなかったため、出典があれば加筆をお願いします。</ref>。こちらも上下、左右制限がある<ref>信号電材株式会社. [https://shingo-d.co.jp/other/img/links/pamph01.pdf "外付フード視角制限灯器"], 信号電材株式会社. n.d. , (参照 2025-01-06).</ref>。
 
==== 視角制限のうち、特殊なフードを取り付けたものがルーバー ====
交通工学研究会の「交通工学用語集」や「平面交差の計画と設計 基礎編」では、「視覚制限型信号灯器<ref>交通工学研究会. [http://glossary.jste.or.jp/%E8%A6%96%E8%A6%9A%E5%88%B6%E9%99%90%E5%9E%8B%E4%BF%A1%E5%8F%B7%E7%81%AF%E5%99%A8/ 視覚制限型信号灯器], 交通工学用語集. n.d. , (参照 2025-01-11).</ref>」、「視野角制限型信号灯器<ref>一般社団法人 交通工学研究会. [https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/b303108.html 平面交差の計画と設計 基礎編]. 交通工学研究会, 2020.</ref>」として取り上げられており、その方式の一つとして特殊なフードを取り付けた「ルーバー式」がある。光の漏れの有無、視野角の調整の可否、および[[信号機メーカー|メーカー]]に関する関する記述は特にない。
 
=== 「SD制限」、「四角制限」について ===
[[ファイル:Sdseigen.jpg|代替文=SD制限|サムネイル|151x151ピクセル|信号電材の視角制限フード(信号ファンの間では「SD制限」や「四角制限」と呼ばれることが多い。)|なし]]ルーバーフードや視角制限フードのうち、四角い形状のものは信号ファンの間で「四角制限」と呼ばれている。また、[[信号電材]]製の四角制限フードを「SD制限」、[[小糸工業|小糸]]製のものを「KO制限」などとも言う。
 
== カプセルフード ==
== カプセルフード ==
[[ファイル:Capsulehood2.jpg|代替文=カプセルフード(クチバシカプセル)|サムネイル|カプセルフード。写真のものはクチバシカプセル。|なし]]
[[ファイル:Capsulehood2.jpg|代替文=カプセルフード(クチバシカプセル)|サムネイル|カプセルフード。写真のものはクチバシカプセル。|なし]]

2025年1月11日 (土) 15:33時点における版

(ひさし)とは、信号機の灯火の上に取り付けられる、帽子のつばのような部分である。「フード」とも呼ばれる。

信号機の庇 (通常庇)

概要

太陽光を防いだり、他の道路からの誤認を防いだりする役割がある。日本に初めて信号機が設置された時から長期にわたって信号機に取り付けられていたが、LED式信号機では太陽光を防ぐ必要性が低下し、庇が短い信号機や、庇が無い信号機も設置されるようになった。また、2017年登場の低コスト灯器ではフードレスが標準となり、誤認防止や着雪対策以外の庇が取り付けられることは稀である。

通常庇

通常庇は、その信号機の標準的な庇である。長さは基本的には1種類だが、警管仕厚型LEDなどの一部の灯器では庇が短くなっているものがある。また、豪雪地域に設置される縦型灯器には、青と黄色の庇が短くなっているものもある。薄型LED以降の世代では、ショートフードに対して「ロングフード」と呼ばれることがある[注釈 1]。また、低コスト灯器ではフードレスが標準となったため、通常庇を取り付けたものは極めて少ない。

通常庇の中でも特徴的な形状をしているものは、信号ファンによる愛称がつけられている。詳しくは、それぞれのページを参照。

ショートフード

ショートフード
ショートフード

ショートフードは、薄型LED以降の世代に使われている、長さが従来の半分以下のフードである。薄型LEDにショートフードと通常庇のどちらを採用するかは都道府県によって異なる(例えば東京都ではショートフードが大半だが、神奈川県では通常庇が大半である)。低コスト灯器ではフードレスが標準になったためあまり見られないが、日本信号三協高分子低コスト灯器ではショートフードを取り付けたものもある。

北海道や、初期の東京都などでは通常のショートフードよりさらに短いショートフードも存在している。

ダブルフード

ダブルフード
ダブルフード

ダブルフードは、誤認防止庇の1つである。円周の3/4程度を覆い、片側からの誤認を防止する。「Wフード」「ダブル庇」「W庇」「片かくしフード」等とも呼ばれる。

ダブルフードの中には、形状が左右非対称のものがある。右側を隠しているものは「右隠し庇」、左側を隠しているものは「左隠し庇」と呼ばれることがある。

筒形フード

筒形フード
筒形フード

筒形フードは、筒の形をした誤認防止庇である。円周のほとんどを覆い、左右からの誤認を防止する。「筒型フード」、「筒形庇」、「筒型庇」などとも呼ばれる。

土管庇

筒形フードのうち、裾が無く、下部の開きが大きいもの(特に京三角型、関東型宇宙人、小糸角型包丁(未遂)小糸FRP日信初期FRP)は、「土管庇」と呼ばれる[注釈 2]

完全筒形フード

筒形フードのうち、下部の開きがほとんど、あるいは全くないもの。

誤認防止フード(ルーバーフード・視角制限フード)

ルーバーフード
誤認防止フード(ルーバーフード)

誤認防止のためにフードの内側に金属板(ルーバー)を並べて信号の見える範囲を制限しているフードである。「ルーバーフード」などと呼ばれる。鋭角交差点で他の道路から隠す左右制限と、隣接交差点で隣の交差点から隠す上下制限がある。

「ルーバー」と「視角制限(視野角制限、視覚制限)」について

どちらも金属板を入れた庇であるが、2つの言葉が区別されることがある(神奈川県警など)。公式の資料が少ないため、ここでは複数の説を取り上げる。

光が漏れるのがルーバー、漏れないのが視角制限

ルーバーでは金属板に反射した光が漏れてしまうが、視角制限ではそれが対策されているというもの[1][2]。この場合、電材低コストは視角制限、日信低コストはルーバーである。

視野角の調整できるのが視角制限、できないのがルーバー

ルーバーのうち、金属板の角度の調整によって視野角を変えられるのが視角制限というもの。

視角制限のうち、信号電材製がルーバー

視角制限フードは現在、信号電材、日本信号が製造しており、信号電材製の物は特にルーバーと呼ばれ、信号電材の商標名となっている[注釈 3]。こちらも上下、左右制限がある[3]

視角制限のうち、特殊なフードを取り付けたものがルーバー

交通工学研究会の「交通工学用語集」や「平面交差の計画と設計 基礎編」では、「視覚制限型信号灯器[4]」、「視野角制限型信号灯器[5]」として取り上げられており、その方式の一つとして特殊なフードを取り付けた「ルーバー式」がある。光の漏れの有無、視野角の調整の可否、およびメーカーに関する関する記述は特にない。

「SD制限」、「四角制限」について

SD制限
信号電材の視角制限フード(信号ファンの間では「SD制限」や「四角制限」と呼ばれることが多い。)

ルーバーフードや視角制限フードのうち、四角い形状のものは信号ファンの間で「四角制限」と呼ばれている。また、信号電材製の四角制限フードを「SD制限」、小糸製のものを「KO制限」などとも言う。

カプセルフード

カプセルフード(クチバシカプセル)
カプセルフード。写真のものはクチバシカプセル。

カプセルフード(寒冷地対策カバーEZ20シリーズ)は、着雪防止のために灯火を透明なカバーで覆った日本信号が開発したフードである。尖った形状の「クチバシカプセル」と、あまり尖っていない形状の「玉ねぎカプセル」の2種類が存在する。また、カプセルフードの一部を黒色にしたり、内側にルーバーを並べたりして誤認防止の機能を持たせたものも存在する。

西日対策フード

西日対策灯器には通常と異なるフードが使われることがある。車両用灯器では通常よりも長いフードが使われ、歩行者灯器では下に傾いた庇が使われる。歩行者灯器の西日対策フードは「愛知庇」「S庇」とも呼ばれる[注釈 4]

その他

静岡県にはかつて他県と比べて長い誤認防止庇が採用されていた。

参考文献

  1. 信号機ラボ. https://x.com/vsp_99/status/1570038054899032064, X. 2021, (参照 2025-01-11).
  2. 信号機ラボ. https://x.com/vsp_99/status/1430140470097707015, X. 2021, (参照 2025-01-11).
  3. 信号電材株式会社. "外付フード視角制限灯器", 信号電材株式会社. n.d. , (参照 2025-01-06).
  4. 交通工学研究会. 視覚制限型信号灯器, 交通工学用語集. n.d. , (参照 2025-01-11).
  5. 一般社団法人 交通工学研究会. 平面交差の計画と設計 基礎編. 交通工学研究会, 2020.

注釈

  1. 西日対策フードも「ロングフード」と呼ばれることがある。
  2. 下部の開きに関係なく、完全筒形フード以外の筒形フード全てを土管庇と呼ぶ場合もある。(Y.M.緑の風, 「信ちゃん用語」, ページわいえむ, 2019, 参照2025-01-06)
  3. J-PlatPat の商標検索で見つからなかったため、出典があれば加筆をお願いします。
  4. DX形灯器の愛知庇とは別物