斜め庇
斜め庇(ななめひさし)とは、小糸工業の初期の鉄板灯器に使われていたフード、および、そのフードが取り付けられている鉄板灯器のことである。
斜め庇 | |
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斜め庇(中期型)の写真。2022年に北海道で撮影。 | |
上位分類 | 鉄板灯器 |
製造期間 | 昭和53年5月頃〜昭和54年9月 |
採用地域 | 全国 |
残存数 | 北海道、千葉県、静岡県、大阪府、奈良県などに少数 |
メーカー | 小糸工業 |
警交仕規 | 第23号 |
レンズ |
格子レンズ(250mm) ドットレンズ(300mm) |
アーム | 通常アーム |
タイプ | 初期型、S53.7型、中期型、兵庫型、雪国型、後期型 |
概要[編集 | ソースを編集]
小糸工業は、昭和53年5月頃から鉄板灯器(共通丸型灯器)を製造しており、昭和54年9月頃までの鉄板灯器には小糸特有の形状のフードが使われていた。それ以降のフードは日本信号や京三製作所とほぼ同じ形状に変更されている。クチバシとは異なり、包丁未遂を採用していた道府県は斜め庇に移行しているため、ごく僅かな例外を除いて並行製造は確認されていない。
小糸角型のフードと似ているが、別物である。また、包丁〜包丁未遂世代のフードとは庇取付金具のだるま穴の大きさが異なる。
分類[編集 | ソースを編集]
斜め庇は以下のように分類できる。
初期型[編集 | ソースを編集]
昭和53年5月頃[1]から昭和53年8月[2]までと、昭和53年11月に製造されていたタイプ。フードと台座が溶接で固定されている。レンズ蓋固定金具が小さい。
S53.7型[編集 | ソースを編集]
昭和53年7月に製造されていたタイプ。中期型とほぼ同じであるが、レンズ蓋固定金具に小さいタイプが使われている点のみ異なる。
中期型[編集 | ソースを編集]
昭和53年6月[注釈 1]から昭和54年5月頃まで製造されていた。台座が短くなり、ネジ止めに変更されている。また、レンズ蓋固定金具が大きいタイプに変更されている。フードは溶接のままである。現在残っている斜め庇の大半がこのタイプである。
兵庫型[編集 | ソースを編集]
昭和53年11月に製造されていた。初期型で溶接固定の箇所をそのままネジ止めにしたタイプであり、台座は初期型と同じ長いタイプがネジ止めで固定されている。また、フードもネジ止めとなっている。レンズ蓋固定金具は小さいタイプ。兵庫県に少数設置されていたが、現在は全て撤去済み。
雪国型[編集 | ソースを編集]
昭和53年11月に製造されていた。中期型に、フードを固定するネジを4本追加したタイプである。宮城県、福島県、奈良県などに設置。
後期型[編集 | ソースを編集]
昭和54年6月頃から昭和54年9月まで製造されていた。それまで上下左右にあったレンズ蓋のネジが、45°回転させた斜めの位置に変更されている。
台座固定方法 | 蓋固定金具 | 台座長さ | 庇固定補助ネジ | レンズ縁のネジ | 庇固定方法 | |
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初期型 | 溶接 | 小さい | 長い | 無し | 上下左右 | 溶接 |
S53.7型 | ネジ止め | 小さい | 短い | 無し | 上下左右 | 溶接 |
中期型 | ネジ止め | 大きい | 短い | 無し | 上下左右 | 溶接 |
兵庫型 | ネジ止め | 大きい | 長い | 無し | 上下左右 | ネジ止め |
雪国型 | ネジ止め | 大きい | 短い | 有り | 上下左右 | 溶接 |
後期型 | ネジ止め | 大きい | 短い | 無し | 斜め | 溶接 |
注釈[編集 | ソースを編集]
- ↑ 昭和53年6月〜8月頃は初期型と中期型の両方が存在するため、過渡期と思われる
参考文献[編集 | ソースを編集]
- ↑ もりじゅん☆タモリ~交通信号垢. https://twitter.com/jun1256f_signal/status/1386306700840292358, X. 2021, (参照 2025-04-07)
- ↑ 羽井出. https://twitter.com/sv2nt/status/1559102310789554176 X. 2022, (参照 2025-04-07)