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'''低コスト灯器'''(ていこすととうき)とは、平成29(2017)年6月より設置が開始された250mmレンズの次世代LED式[[信号灯器|灯器]]である。'''低コスト信号機'''、'''低コスト'''とも呼ばれる。
'''低コスト灯器'''(ていこすととうき)とは、平成29(2017)年6月より設置が開始された250mmレンズの次世代LED式[[信号灯器|灯器]]である。[[京三製作所]]などの[[信号機メーカー]]が製造している。'''低コスト信号機'''、'''低コスト、小型灯器'''とも呼ばれる。


{{Infobox signal|灯器の名称=低コスト灯器|画像=[[ファイル:低コスト灯器.JPG|300px]]|画像の説明=信号電材製の低コスト灯器([[ODM]]提供により京三製作所銘板となっている)|製造期間=2017年〜|採用地域=全国(東京都では2025年から<ref>[https://urban-development.jp/blog/other/flatsignal/ 東京都内で実用初!薄くて平たいフラット型信号機が登場]</ref>)|残存数=多数|メーカー=日本信号、コイト電工、信号電材、三協高分子|仕様書=警交仕規|仕様書番号=[[警交仕規第1014号|第1014号]]|ユニット=コイト7周ユニット、電材7周ユニット、日亜面拡散、三協7周ユニット|アーム=ストレートアーム}}
{{Infobox signal|灯器の名称=低コスト灯器|画像=[[ファイル:低コスト灯器.JPG|300px]]|画像の説明=信号電材製の低コスト灯器([[ODM]]提供により京三製作所[[銘板]]となっている)|製造期間=2017年〜|採用地域=全国(東京都では2025年から<ref>[https://urban-development.jp/blog/other/flatsignal/ 東京都内で実用初!薄くて平たいフラット型信号機が登場]</ref>)|残存数=多数|メーカー=日本信号、コイト電工、信号電材、三協高分子|仕様書=警交仕規|仕様書番号=[[警交仕規第1014号|第1014号]]|ユニット=コイト128素子ユニット、電材108素子ユニット、日亜面拡散、三協132素子ユニット、コイト91素子ユニット、電材135素子ユニット|アーム=ストレートアーム}}
== 概要 ==
== 概要 ==
平成26(2014)年度に「より長持ちで」「より安価な」交通安全施設の開発の委託研究が警察庁より出されたことが発端<ref name=":0">[https://shingo-d.jugem.jp/?eid=431 新型灯器の開発。。| 会長日記, 2017/06/27, L2]</ref>。[[信号電材]]、[[日本信号]]などが研究開発を進め、平成29(2017)年度より仕様策定、製造・設置が開始された信号灯器である。
平成26(2014)年度に「より長持ちで」「より安価な」交通安全施設の開発の委託研究が警察庁より出されたことが発端<ref name=":0">[https://shingo-d.jugem.jp/?eid=431 新型灯器の開発。。| 会長日記, 2017/06/27, L2]</ref>。[[信号電材]]、[[日本信号]]などが研究開発を進め、平成29(2017)年度より仕様策定、製造・設置が開始された信号灯器である。
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従来型([[薄型LED灯器]]以前)と比較すると、以下の特徴が挙げられる。
従来型([[薄型LED灯器]]以前)と比較すると、以下の特徴が挙げられる。


* レンズ径が250mmとなっている。
* レンズ径が250mmとなっている。(従来の薄型LEDは300mm)
* 現行モデルの灯器幅は原則1050mm(従来は1250mm)
* 現行モデルの灯器幅は原則1050mm(従来は1250mm)(日本信号のED1191タイプは1014mm)
* コストカットのため、極力シンプルなデザインとなっている。
* コスト削減のため、シンプルなデザインとなっている。
* 小型、軽量で運搬、設置時に便利で災害に強い
* 小型、軽量で運搬、設置時に便利で災害に強い。
* 一部の灯器を除き、デフォルトで[[フード|庇]]が存在しない。
* デフォルトで[[フード]]が存在しない。(一部の灯器を除く)
* 原則ユニット交換が出来ない。(メーカー間での互換性なし)
* 原則ユニット交換が出来ない。(メーカー間での互換性なし)




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* [[コイト電工]]
* [[コイト電工]]
* 信号電材([[京三製作所]]、[[オムロン]]、[[星和電機]]に筐体を提供している)
* 信号電材([[京三製作所]]、[[オムロン]]、[[星和電機]]にODM提供)
* 日本信号([[関西シグナルサービス]]、[[名古屋電機]]に筐体を提供している)
* 日本信号([[関西シグナルサービス]]、[[名古屋電機工業]]にODM提供)
* [[三協高分子]]
* [[三協高分子]]


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== 各社の特徴 ==
== 各社の灯器 ==


=== コイト電工 ===
=== コイト電工 ===
コイト製の低コスト灯器は、[[フラット型灯器]]を小型化した様なデザインとなっている。角丸の直方体であり、他のメーカーと異なり庇を取り付けることができない構造になっている。そのため、誤認防止などを行う場合は偏光フィルターを使用するか、他社の筐体に庇を取り付けて設置されることが多い。スペーサー金具を用いて設置される。


令和2(2020)年度頃より、銘板がプレートから白いラベルに変更された。
==== 特徴 ====
[[フラット型灯器]]をそのまま小型化したデザインとなっている。アルミダイキャスト製の角丸の直方体であり、他のメーカーと異なりフードを取り付けることができない。そのため、誤認防止などを行う場合は偏光フィルターを使用するか、他社の筐体にフードを取り付けて設置されることが多い。スペーサー金具を用いて前傾して設置される。


第一世代のLED素子数は全色とも7周128粒(3色で384粒)。
==== モデル ====


令和7(2025)年度頃より、TC2型灯器のように赤ユニットのLEDが極端に少なく、筐体の蝶番が3個から2個に減ったマイナーチェンジモデルが登場した(ここでは第二世代と扱う)。第二世代のLED素子数は赤ユニットのみ6周91粒(3色で347粒)。<ref>もしよろしければ出典お願いいたします。</ref>
* '''第一世代(2017~2020)'''


=== 信号電材 ===
LED素子数は全色とも7周128粒(3色で384粒)。矢印灯は68粒。銘板は黒色。
電材製の低コスト灯器は、表面にカーブを描いた、横から見たかまぼこのような形をしている。[[京三製作所]]、[[星和電機]]、[[オムロン]]にも筐体を提供しており、日本全国において最も設置数が多い低コスト灯器となっている。
特に京三製作所のものは'''VSM'''と呼ばれる。


庇のオプションも豊富で、三角フード、六角フード、四角フード、視角制限フードの設置を確認している。直接レンズに庇を取り付けることができないため、灯器上部あるいは下部で接着する方式をとっている。
* '''第一世代(マイナーチェンジ)(2020~2025)'''


また、レンズ内部の素子ごとにフィルターを入れたインナーフードも存在する。狭角ユニットでは灯器下部にステッカーが貼られる。他社と比較して誤認防止の効果が高いことから、他社で対応できない誤認防止用灯器として採用されることも多い。
銘板が白銘板(シール銘板)に変更された。
 
* '''第二世代(2025~)'''
 
TC2型灯器のように赤ユニットのLEDが少なくなり、筐体の蝶番が3個から2個に減った。また、内部のユニット形状が刷新されている。LED素子数は赤ユニットのみ6周91粒(3色で347粒)。
 
=== [[信号電材低コスト型|信号電材]] ===
 
==== 特徴 ====
アルミダイキャスト製、表面にカーブを描いた、横から見た三日月のような形をしている。[[京三製作所]]、[[星和電機]]、[[オムロンソーシアルソリューションズ]]にも灯器を提供しており、日本全国において最も設置数が多い低コスト灯器となっている。特に京三製作所のものは'''VSM'''と呼ばれる。
 
庇のオプションも豊富で、六角フード(筒フード代替)、四角フード(横型用)、三角フード(縦型用)視角制限フードの設置を確認している。直接レンズに庇を取り付けることができないため、灯器上部あるいは下部で接着する方式をとっている。
 
また、レンズ内部の素子ごとにフィルターを入れた[[インナーフード]]も存在する。狭角ユニットでは灯器下部にステッカーが貼られる。他社と比較して誤認防止の効果が高いことから、他社で対応できない誤認防止用灯器として採用されることも多い。


逆に、通常より視野角の広い広角タイプも存在する。広角ユニットでは筐体背面にステッカーが貼られる。電材製の低コスト灯器は標準仕様でも視野角が狭いことから、歩行者からは灯火が見えづらい。そのため、歩灯が設置されていない交差点で採用される場合が多いが、愛知県ではこれを標準品として用いている。
逆に、通常より視野角の広い広角タイプも存在する。広角ユニットでは筐体背面にステッカーが貼られる。電材製の低コスト灯器は標準仕様でも視野角が狭いことから、歩行者からは灯火が見えづらい。そのため、歩灯が設置されていない交差点で採用される場合が多いが、愛知県ではこれを標準品として用いている。


LED素子数は全色とも7周108粒(3色で324粒)。
スペーサー金具を用いずに設置できる。
 
==== モデル ====
 
* '''第一世代(2017~2018)'''
LED素子数は全色とも7周108粒(3色で324粒)。矢印灯は66粒。
* '''第一世代(マイナーチェンジ)(2018~2025)'''
 
ケーブル取り出し穴の位置が変化した。以前は横型と縦型(豪雪型)で異なる位置に取り出し穴があったが、この筐体からは共通となった。
 
* '''第二世代(2025~)'''


令和元(2018)年度頃より、ケーブル取り出し穴の位置が変化したマイナーチェンジモデルが登場した。以前のモデルは横型と縦型でケーブル取り出し穴が異なったが、新モデルでは共通の位置となった。
耳部分がリニューアルされた。ネジ穴やプレス形状などが改良された。黄色ユニットの素子数が108粒から135粒に増加した(3色で351粒)。


=== 日本信号 ===
=== 日本信号 ===
日本信号製の低コスト灯器はモデルチェンジが多い。
==== 試験灯器(ED1189〜) ====
平成27(2015)年度に埼玉県で試験設置が行われた。量産モデルと異なり、板金で作られたシンプルな形状であり、簡易的な形状の庇を備える。ユニットはφ250 素子露出型。警交仕規φ300幅(1250mm)に合わせるため、耳に大きなスペーサーがみられる。


==== 第一世代(ED1191) ====
==== 特徴 ====
製造期間:2017年〜2025年
試験灯器を除き、ステンレスのプレス工法で製造されており角丸の直方体形状である。 ステンレス製だが、錆や塗装剥げが起こりやすい傾向がある。一部のモデルは[[関西シグナルサービス]]、[[名古屋電機工業]]にも灯器を供給している。


京三製作所の薄型LED灯器であるVSP型灯器を小型化した様な形となっている。ステンレスのプレス工法を採用している。庇を取り付けることができる縁があるため、庇を取り付けた灯器が多数存在する。また、雪国用のカプセルフードも取り付け可能である。カプセルフードを用いない場合、フード縁に雪が積もりやすいため雪に対して極めて弱い。
日亜製の面拡散ユニットを搭載している。黄色ユニット自体にケーブルを接続するための端子台がある。


大阪府を中心とした近畿地方の一部に、関西シグナルサービス・名古屋電機の銘板で設置されているものが見られる。
フード縁の無いモデル除き従来型と同様の方法でフードを取り付けることができる。そのため、ショートフード、ダブルフード、丸型ルーバー、カプセルフードを装着できる。なお、フード縁に汚れや雪が堆積しやすい。


LED素子数は青6周92粒、黄7周130粒、赤7周105粒(3色で327粒)。
矢印灯器は直接設置できない仕様であり、金具を用いて設置する。すなわち内線式の設置はできない。


表蓋は他社製同様1050mm幅だが、裏蓋はそれより小さくなるため灯器幅は1014mmとなる。そのため、他社製より僅かに灯器幅が小さく、他社製用のアームの貫通穴を使用できない。また、他社製や同社製後代モデルとの両面設置も難しい。この欠点は次期モデル以降改善されている。
日本信号製の低コスト灯器はフルモデルチェンジが多い。そのため、形式で呼称する場合が多い。


矢印灯器は純正品の場合も金具を用いて設置する。そのため内線式の矢印設置は不可。
==== モデル ====


一灯式はED1195〜。
* '''試験灯器(ED1189〜)(2015)'''


==== 第二世代 フラット型前期(ED1197〜) ====
平成27(2015)年度に埼玉県で試験設置が行われた。量産モデルと異なり、板金で作られたシンプルな形状であり、簡易的な形状の庇を備える。ユニットはφ250 素子露出型。警交仕規φ300幅(1250mm)に合わせるため、耳に大きなスペーサーがみられる。
製造期間:2022年〜2025年


令和4(2022)年度に埼玉県で試験設置が行われた。従来型の表蓋から庇取り付け穴を取り除いたものとなっており、正面からの見た目がコイト製の低コスト灯器に似ている。裏蓋はED1191型と同形状である。埼玉県のほか岩手県、石川県などでも設置を確認しているが、従来型に比べると設置数は限られている。また、金具を用いて前傾させ、灯器幅を1050mmに拡張している。よってこのモデルから他社製と灯器幅が統一された。
* '''第一世代(ED1191)(2017~2025)'''


材質、工法、ユニット配列、矢印灯器の取り付け方法等は従来モデルと同様。
京三製作所が製造していた薄型LED灯器であるVSP型灯器を小型化したようなデザインとなっている。フード縁あり。


==== 第三世代 フラット型後期 警交仕規モデル 庇取付不可(ED1202〜) ====
LED素子数は青6周92粒、黄7周130粒、赤7周105粒(3色で327粒)。矢印灯は48粒。
製造期間:2025年〜


令和7(2025)年度に青森県で試験設置が行われた(現在は撤去済み)。筐体はフルモデルチェンジされた。同年度内に愛知県、大阪府、広島県などでも設置が確認された。庇の取り付けは不可。更なる薄型化が図られ、コイト低コストと同様のスペーサー金具を用いて設置される。一灯式はED1207〜。
表蓋は他社製同様1050mm幅だが、裏蓋はそれより小さくなるため灯器幅は1014mmとなる。そのため、他社製より僅かに灯器幅が小さく、他社製用のアームの貫通穴を使用できない。また、他社製や同社製後代モデルとの両面設置も難しい。この欠点は次期モデル以降改善されている。


銘板はシール銘板(白銘板)となっている。灯器幅は1050mm。
一灯式はED1195〜。


黄色ユニットの素子数が削減され、6周となった。
大阪府を中心とした近畿地方の一部に、関西シグナルサービス・名古屋電機の銘板で設置されているものが見られる。


材質、工法、矢印灯器の取り付け方法等は従来モデルと同様。
* '''第二世代 フラット型(ED1197〜)(2022~2025)'''


==== 第三世代 フラット型後期 警交仕規モデル 庇取付可(ED1221〜) ====
令和4(2022)年度に埼玉県で試験設置が行われた。従来型の表蓋からフード縁を取り除いたものとなっており、正面からの見た目がコイト製の低コスト灯器に似ている。裏蓋はED1191型と同形状である。埼玉県のほか岩手県、石川県などでも設置を確認しているが、従来型に比べると設置数は限られている。また、スペーサー金具を用いて前傾させ、灯器幅を1050mmに拡張している。よってこのモデルから他社製と灯器幅が統一された。
製造期間:2025年〜


令和7(2025)年度に愛知県、大阪府で設置が確認された。庇を取り付け可能な構造であり、表蓋はED1197型、裏蓋はED1201型と近い形状である。また、ED1203と外観上の違いはほぼない。
* '''第三世代 '''
筐体がフルモデルチェンジされた。ED1197を採用せずED1191を設置し続けた道府県も第三世代に移行したため、ED1191およびED1197は生産を終了したと思われる。


銘板はシール銘板(白銘板)となっている。灯器幅は1050mm。
銘板はシール銘板(白銘板)となっている。灯器幅は1050mm。


黄色ユニットの素子数が削減され、6周となった。
黄色ユニットの素子数が削減され、6周92粒となった(3色で289粒)。
 
大阪府を中心とした近畿地方の一部に、関西シグナルサービスの銘板で設置されているものが見られる。


材質、工法、矢印灯器の取り付け方法等は従来モデルと同様。
* '''薄型筐体 警交仕規モデル フード取付不可(ED1201〜)(2025〜)'''


==== 第三世代 フラット型後期 警管仕モデル(ED1203〜) ====
令和7(2025)年度に青森県で試験設置が行われた(現在は撤去済み)。同年度内に愛知県、大阪府、広島県などでも設置が確認された。フード縁なし。更なる薄型化が図られ、コイト低コストと同様のスペーサー金具(前傾)を用いて設置される。一灯式はED1207〜。
製造期間:2025年〜


令和7(2025)年度に東京都で設置が確認された。庇を取り付け可能な構造であり、表蓋はED1197型、裏蓋はED1201型と近い形状である。また、ED1221と外観上の違いはほぼない(仕様書が異なるため、内部は異なると考えられる)。警管仕モデルではスペーサー金具での前傾を行わない。
* '''薄型筐体 警交仕規モデル フード取付可(ED1221〜)(2025~)'''


銘板はシール銘板(白銘板)となっている。灯器幅は1050mm。
令和7(2025)年度に愛知県、大阪府で設置が確認された。フード縁があり、表蓋はED1197型、裏蓋はED1201型と近い形状である。また、ED1203と外観上の違いはほとんどない。


黄色ユニットの素子数が削減され、6周となった。
* '''薄型筐体 警管仕モデル(ED1203〜)(2025~)'''


材質、工法、矢印灯器の取り付け方法等は従来モデルと同様。
令和7(2025)年度に東京都で設置が確認された。フード縁があり、表蓋はED1197型、裏蓋はED1201型と近い形状である。また、ED1221と外観上の違いはほぼない(仕様書が異なるため、内部は異なると考えられる)。警管仕モデルではスペーサー金具での前傾を行わない。


=== 三協高分子 ===
=== 三協高分子 ===
==== 特徴 ====
平成30(2018)年度に大阪府で設置が確認された。他社より1年ほど遅れて導入された。
平成30(2018)年度に大阪府で設置が確認された。他社より1年ほど遅れて導入された。


他社と比較して完全な直方体になっている。おもに近畿地方より西側で設置されており、関東地方・東海地方・東北地方では一切見かけない。
他社と比較して完全な直方体になっている。おもに近畿地方より西側で設置されており、関東地方・東海地方・東北地方では一切見かけない。


通常の筐体はレンズ面が完全にフラットになっているが、別途庇を取り付ける外枠を使用することで様々な庇を取り付けることができる。この外枠は筐体にリベットで固定されており、後から外枠を付けることは難しい。スペーサー金具を用いて設置される。他社製灯器と異なり、レンズが球面上である。
フードを取り付けられるものと、取り付けられないものがあり、前者はフード取り付け用の枠がリベットで固定されている。よって、後から外枠を付けることは難しい。スペーサー金具を用いて設置される。他社製灯器と異なり、レンズが球面上となっており、三協がかつて製造していたスフェリカルレンズを彷彿とさせるデザインとなっている。
 
LED素子数は全色とも7周132粒(3色で396粒)。矢印灯は58粒。


LED素子数は全色とも7周132粒(3色で396粒)。
== LED素子数 ==
{| class="wikitable sortable"
|+
!モデル
!青
!黄
!赤
!合計
!矢印
|-
|コイト第一世代
|128
|128
|128
|384
| rowspan="2" |68
|-
|コイト第二世代
|128
|128
|91
|347
|-
|信号電材第一世代
|108
|108
|108
|324
| rowspan="2" |66
|-
|信号電材第二世代
|108
|135
|108
|351
|-
|日本信号ED1191、ED1197
|92
|130
|105
|327
| rowspan="2" |48
|-
|日本信号ED1201、ED1203、ED1221
|92
|92
|105
|289
|-
|三協低コスト
|132
|132
|132
|396
|58
|}
※注:合計は矢印を含まない。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2026年10月20日 (火) 14:22時点における最新版

低コスト灯器(ていこすととうき)とは、平成29(2017)年6月より設置が開始された250mmレンズの次世代LED式灯器である。京三製作所などの信号機メーカーが製造している。低コスト信号機、低コスト、小型灯器とも呼ばれる。

低コスト灯器
信号電材製の低コスト灯器(ODM提供により京三製作所銘板となっている)
製造期間 2017年〜
採用地域 全国(東京都では2025年から'"`UNIQ--ref-00000000-QINU`"')
残存数 多数
メーカー 日本信号、コイト電工、信号電材、三協高分子
警交仕規 [[仕様書番号::第1014号]]
ユニット コイト128素子ユニット、電材108素子ユニット、日亜面拡散、三協132素子ユニット、コイト91素子ユニット、電材135素子ユニット
アーム ストレートアーム
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概要[編集]

平成26(2014)年度に「より長持ちで」「より安価な」交通安全施設の開発の委託研究が警察庁より出されたことが発端[2]。信号電材、日本信号などが研究開発を進め、平成29(2017)年度より仕様策定、製造・設置が開始された信号灯器である。

従来型(薄型LED灯器以前)と比較すると、以下の特徴が挙げられる。

  • レンズ径が250mmとなっている。(従来の薄型LEDは300mm)
  • 現行モデルの灯器幅は原則1050mm(従来は1250mm)(日本信号のED1191タイプは1014mm)
  • コスト削減のため、シンプルなデザインとなっている。
  • 小型、軽量で運搬、設置時に便利で災害に強い。
  • デフォルトでフードが存在しない。(一部の灯器を除く)
  • 原則ユニット交換が出来ない。(メーカー間での互換性なし)


2025年1月5日現在、低コスト灯器を製造しているのは以下のメーカーである。


なお、東京都は警管仕を採用しており、警管仕には低コスト灯器の仕様が長らく記されておらず設置がなかったが、令和7(2025)年8月に初の低コスト灯器(警管仕第47号)の設置がされ、稼働した。

歴史[編集]

  • 平成26(2014)年度、警察庁より低コスト灯器の開発研究に関する議題が出される[2]。
  • 平成27(2015)年度、日本信号が埼玉県さいたま市の公道にて試作機となる低コスト灯器を設置し、試験。
    試験設置された低コスト灯器
    日本信号による平成27(2015)年度に試験設置された低コスト灯器
  • 平成29(2017)年6月22日、コイト電工の低コスト灯器第1号が大阪府大阪市鶴見区に設置される[3]。
  • 令和7(2025)年8月29日、東京都に低コスト灯器世代の信号灯器第1号が設置される。




各社の灯器[編集]

コイト電工[編集]

特徴[編集]

フラット型灯器をそのまま小型化したデザインとなっている。アルミダイキャスト製の角丸の直方体であり、他のメーカーと異なりフードを取り付けることができない。そのため、誤認防止などを行う場合は偏光フィルターを使用するか、他社の筐体にフードを取り付けて設置されることが多い。スペーサー金具を用いて前傾して設置される。

モデル[編集]

  • 第一世代(2017~2020)

LED素子数は全色とも7周128粒(3色で384粒)。矢印灯は68粒。銘板は黒色。

  • 第一世代(マイナーチェンジ)(2020~2025)

銘板が白銘板(シール銘板)に変更された。

  • 第二世代(2025~)

TC2型灯器のように赤ユニットのLEDが少なくなり、筐体の蝶番が3個から2個に減った。また、内部のユニット形状が刷新されている。LED素子数は赤ユニットのみ6周91粒(3色で347粒)。

信号電材[編集]

特徴[編集]

アルミダイキャスト製、表面にカーブを描いた、横から見た三日月のような形をしている。京三製作所、星和電機、オムロンソーシアルソリューションズにも灯器を提供しており、日本全国において最も設置数が多い低コスト灯器となっている。特に京三製作所のものはVSMと呼ばれる。

庇のオプションも豊富で、六角フード(筒フード代替)、四角フード(横型用)、三角フード(縦型用)視角制限フードの設置を確認している。直接レンズに庇を取り付けることができないため、灯器上部あるいは下部で接着する方式をとっている。

また、レンズ内部の素子ごとにフィルターを入れたインナーフードも存在する。狭角ユニットでは灯器下部にステッカーが貼られる。他社と比較して誤認防止の効果が高いことから、他社で対応できない誤認防止用灯器として採用されることも多い。

逆に、通常より視野角の広い広角タイプも存在する。広角ユニットでは筐体背面にステッカーが貼られる。電材製の低コスト灯器は標準仕様でも視野角が狭いことから、歩行者からは灯火が見えづらい。そのため、歩灯が設置されていない交差点で採用される場合が多いが、愛知県ではこれを標準品として用いている。

スペーサー金具を用いずに設置できる。

モデル[編集]

  • 第一世代(2017~2018)

LED素子数は全色とも7周108粒(3色で324粒)。矢印灯は66粒。

  • 第一世代(マイナーチェンジ)(2018~2025)

ケーブル取り出し穴の位置が変化した。以前は横型と縦型(豪雪型)で異なる位置に取り出し穴があったが、この筐体からは共通となった。

  • 第二世代(2025~)

耳部分がリニューアルされた。ネジ穴やプレス形状などが改良された。黄色ユニットの素子数が108粒から135粒に増加した(3色で351粒)。

日本信号[編集]

特徴[編集]

試験灯器を除き、ステンレスのプレス工法で製造されており角丸の直方体形状である。 ステンレス製だが、錆や塗装剥げが起こりやすい傾向がある。一部のモデルは関西シグナルサービス、名古屋電機工業にも灯器を供給している。

日亜製の面拡散ユニットを搭載している。黄色ユニット自体にケーブルを接続するための端子台がある。

フード縁の無いモデル除き従来型と同様の方法でフードを取り付けることができる。そのため、ショートフード、ダブルフード、丸型ルーバー、カプセルフードを装着できる。なお、フード縁に汚れや雪が堆積しやすい。

矢印灯器は直接設置できない仕様であり、金具を用いて設置する。すなわち内線式の設置はできない。

日本信号製の低コスト灯器はフルモデルチェンジが多い。そのため、形式で呼称する場合が多い。

モデル[編集]

  • 試験灯器(ED1189〜)(2015)

平成27(2015)年度に埼玉県で試験設置が行われた。量産モデルと異なり、板金で作られたシンプルな形状であり、簡易的な形状の庇を備える。ユニットはφ250 素子露出型。警交仕規φ300幅(1250mm)に合わせるため、耳に大きなスペーサーがみられる。

  • 第一世代(ED1191)(2017~2025)

京三製作所が製造していた薄型LED灯器であるVSP型灯器を小型化したようなデザインとなっている。フード縁あり。

LED素子数は青6周92粒、黄7周130粒、赤7周105粒(3色で327粒)。矢印灯は48粒。

表蓋は他社製同様1050mm幅だが、裏蓋はそれより小さくなるため灯器幅は1014mmとなる。そのため、他社製より僅かに灯器幅が小さく、他社製用のアームの貫通穴を使用できない。また、他社製や同社製後代モデルとの両面設置も難しい。この欠点は次期モデル以降改善されている。

一灯式はED1195〜。

大阪府を中心とした近畿地方の一部に、関西シグナルサービス・名古屋電機の銘板で設置されているものが見られる。

  • 第二世代 フラット型(ED1197〜)(2022~2025)

令和4(2022)年度に埼玉県で試験設置が行われた。従来型の表蓋からフード縁を取り除いたものとなっており、正面からの見た目がコイト製の低コスト灯器に似ている。裏蓋はED1191型と同形状である。埼玉県のほか岩手県、石川県などでも設置を確認しているが、従来型に比べると設置数は限られている。また、スペーサー金具を用いて前傾させ、灯器幅を1050mmに拡張している。よってこのモデルから他社製と灯器幅が統一された。

  • 第三世代 

筐体がフルモデルチェンジされた。ED1197を採用せずED1191を設置し続けた道府県も第三世代に移行したため、ED1191およびED1197は生産を終了したと思われる。

銘板はシール銘板(白銘板)となっている。灯器幅は1050mm。

黄色ユニットの素子数が削減され、6周92粒となった(3色で289粒)。

大阪府を中心とした近畿地方の一部に、関西シグナルサービスの銘板で設置されているものが見られる。

  • 薄型筐体 警交仕規モデル フード取付不可(ED1201〜)(2025〜)

令和7(2025)年度に青森県で試験設置が行われた(現在は撤去済み)。同年度内に愛知県、大阪府、広島県などでも設置が確認された。フード縁なし。更なる薄型化が図られ、コイト低コストと同様のスペーサー金具(前傾)を用いて設置される。一灯式はED1207〜。

  • 薄型筐体 警交仕規モデル フード取付可(ED1221〜)(2025~)

令和7(2025)年度に愛知県、大阪府で設置が確認された。フード縁があり、表蓋はED1197型、裏蓋はED1201型と近い形状である。また、ED1203と外観上の違いはほとんどない。

  • 薄型筐体 警管仕モデル(ED1203〜)(2025~)

令和7(2025)年度に東京都で設置が確認された。フード縁があり、表蓋はED1197型、裏蓋はED1201型と近い形状である。また、ED1221と外観上の違いはほぼない(仕様書が異なるため、内部は異なると考えられる)。警管仕モデルではスペーサー金具での前傾を行わない。

三協高分子[編集]

特徴[編集]

平成30(2018)年度に大阪府で設置が確認された。他社より1年ほど遅れて導入された。

他社と比較して完全な直方体になっている。おもに近畿地方より西側で設置されており、関東地方・東海地方・東北地方では一切見かけない。

フードを取り付けられるものと、取り付けられないものがあり、前者はフード取り付け用の枠がリベットで固定されている。よって、後から外枠を付けることは難しい。スペーサー金具を用いて設置される。他社製灯器と異なり、レンズが球面上となっており、三協がかつて製造していたスフェリカルレンズを彷彿とさせるデザインとなっている。

LED素子数は全色とも7周132粒(3色で396粒)。矢印灯は58粒。

LED素子数[編集]

モデル 青 黄 赤 合計 矢印
コイト第一世代 128 128 128 384 68
コイト第二世代 128 128 91 347
信号電材第一世代 108 108 108 324 66
信号電材第二世代 108 135 108 351
日本信号ED1191、ED1197 92 130 105 327 48
日本信号ED1201、ED1203、ED1221 92 92 105 289
三協低コスト 132 132 132 396 58

※注:合計は矢印を含まない。

関連項目[編集]

脚注[編集]