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薄型LED車灯

提供:信号機Wiki
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薄型LED車灯(うすがたLEDしゃとう)とは、平成16(2004)年頃より製造されている筐体が薄型化した車両用信号灯器である。

薄型LED車灯
製造期間 平成16年~
採用地域 全国
残存数 全国に大量
メーカー 日本信号、京三製作所、小糸工業(コイト電工)、信号電材、星和電機、三協高分子
警交仕規 第245号第1014号
ユニット 日亜素子、日亜面拡散、アスタリスク配列、コイトKユニット、コイトCユニット、電材素子、電材面拡散、星和素子、星和面拡散、三協素子
アーム 通常アームストレートアーム
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概要

平成16年(2004)年に愛知県の交差点で信号電材製の試作薄型LED車灯が設置された。その後、各地で量産型が設置されるようになった。

薄型LED灯器の登場後、すぐに薄型LED灯器に移行した地域もあれば、厚型LED灯器の生産終了まで薄型LED灯器がほとんど設置されなかった地域もある。厚型LED灯器が生産終了した2011年頃から全国的に薄型LED灯器が設置されるようになった。

平成29(2017)年より信号灯器の改版が行われ、東京都以外の道府県は低コスト灯器に移行したため、あまり設置されなくなった。しかし、大規模な交差点などでは引き続き従来の薄型LED車灯が設置される場合がある。

各社の特徴

コイト電工

コイト電工は神奈川県に設置された一部のモデルを除き、素子型のみが設置される。

第一世代

製造期間:2004年〜2010年

従来の灯器をそのまま薄くしたような形状。第一世代は、背面のプレス模様があるのが特徴。

第二世代

製造期間:2010年〜

正面からの見た目は第一世代とほぼ同じだが、背面のプレス模様が無くなりよりすっきりとした見た目になった。2012年頃に第3世代に移行したが、東京都では第二世代が設置され続けた。

第三世代(TC2)

製造期間:2012年〜2018年

2012年より製造され、左右の耳が一体となった。東京都を除く全道府県に幅広く設置された。

第四世代(新型TC2)

製造期間:2019年〜現在

筐体の耳が再度分離する構造となり、LEDユニット以外は第二世代とほぼ同一である。低コスト灯器登場以降φ300灯器の需要が激減したため、耳が分離できない第三世代(警交仕規専用モデル)は生産終了した可能性が高い。

このモデルでは耳が分割できるため、警管仕にも対応できる。低コスト灯器登場以降も生産されている。

信号電材

他社と違い、一体型で製造されている。ただし、灯器端の耳は分離されているため、警管仕にも対応している。全世代で大体のデザインが一貫している。

第一世代

製造期間:2004年〜2005年

信号電材が一番最初に製造していた薄型灯器で、蓋が後代のものに比べて角ばっているのが特徴。最初期のものは耳も角ばっていたが、それ以降のものは耳が丸みを帯びた形に変更された。最初期のものは庇の形状も異なり、直角庇と呼ばれる。LED専用モデルで、電球式のものは存在しない。LEDユニットは電材素子9周。

第二世代

製造期間:2005年〜2014年

2005年にマイナーチェンジで蓋の形がやや丸みを帯びた形に変更された。LEDタイプと電球タイプがあり、電球タイプには背面に電球用の突起がある。詳しくは信号電材薄型電球式を参照。LEDユニットは電材素子9周または電材面拡散7周。

第三世代

製造期間:2014年〜現在

第二世代に比べて蓋止め金具周辺の窪んだ部分がやや幅広くなった。LEDユニットは電材面拡散7周。低コスト灯器登場以降も生産されている。

日本信号

日本信号はモデルチェンジが多い傾向にある。また、特殊事例では形式がこの通りではない場合がある。

指定色の場合は形式末尾に+0000000の形で情報が付与される。  

第一世代

警交仕規:(素子:ED1133/ED1153 面拡散:ED1170)

警管仕:(素子:ED1132/ED1150 面拡散:ED1151)

製造期間:2004年〜2013年(2015・2019年にも設置事例あり)

同社製の分割型灯器をそのまま薄くしたような形状。三協を除く大手5社の中で唯一、薄耳の警交245号仕様が存在しない。しかし、奈良県には当灯器の薄耳灯器(警管仕銘板)が設置されている。[1]

第二世代

警交仕規:ED1176

警管仕:(素子:ED1186 面拡散:ED1177)

製造期間:2013年〜2019年

京三VSSとよく似た角ばった形状。ユニットは原則面拡散だが、徳島県には素子仕様のものも存在する。2019年に岐阜県と埼玉県に設置されたものが最新であり、以降は警視庁管内でも設置を確認されていないため生産終了となった可能性が高い。

京三製作所

第一世代(VAT型)

製造期間:2004年〜2015年

京三のアルミ製薄型灯器。多くの県では2010年頃までの設置だが、東京都では2015年頃まで設置された。ユニットは素子タイプのものと面拡散タイプのものがあり、素子タイプは警交245号、面拡散タイプは警交1014号となっている。

VATはV=Vehicle(車両用)、A=Aluminium(アルミニウム製)、T=Thin(薄型)の略と思われる。

第二世代(VSP型)

製造期間:2010年〜2013年

2010年頃にアルミ製分割型灯器からステンレス製一体型灯器へ移行。一枚蓋となっている。耳がなく完全に一体型のため、灯器幅を調整できず、東京都では引き続きVAT型が採用されたため未採用。ユニットは基本面拡散だが、岡山県などでは素子タイプのものも設置されている。

VSPはV=Vehicle、S=Stainless(ステンレス製)、P=Press method(プレス工法)の略と思われる。

第三世代(VSS型)

製造期間:2013年〜2017年

2013年頃にステンレス製分割型灯器へ移行。警交仕規のものは左右にスペーサーが取り付けられている。東京都では2015年頃から設置され始めた。ユニットはVSPと同じく、基本面拡散だが、愛知県や岡山県などでは素子タイプのものも設置されている。銘板のフォーマットがVSP以前のものと比べて角張ったフォントになった。

VSSはV=Vehicle、S=Stainless、S=Separate(分割型)の略と思われる。

星和電機

自社筐体

製造期間:2004年〜2010年

星和製の薄型LED車灯は、同社製厚形LED車灯を平たくしたような形状である。ユニットは星和素子。

三協高分子

分割型

製造期間:2004年〜2015年

従来のアルミ製厚型灯器をそのまま薄くしたような見た目であり、正面からだと厚型か薄型か見分けるのは難しい。側面や背面から見分けよう。ユニットは三協放射状素子ユニット。面拡散タイプはない。

愛知県で京三製作所銘板のODM灯器が設置されていた。

一体型

製造期間:2015年〜現在

平成27年(2015年)頃に一体型にモデルチェンジした。分割型よりも角張った見た目になった。警管仕様のものは存在しない。ユニットは変わらず三協放射状素子ユニット。低コスト灯器登場以降もごく少数の設置が確認されているほか、高速道路の料金所用灯器として現在も製造が確認されている。

ODM・OEM灯器

コイト電工

コイト電工は他社のODMでも自社FMTの銘板を使用している。

電材薄型第二世代素子

茨城県で少数設置。LEDユニットは電材素子9周になっている。フードは小糸の深庇が使用されている。形式は電材製のユニットを使用しているにもかかわらず「1H3GYRTK2」となっている。

電材薄型第二世代面拡散

大阪府で少数設置。LEDユニットが電材面拡散、フードも電材製のショートフードが使用されている。ノーマルフードのタイプはないと思われる。形式は「1H303L」となっている。

京三製作所

第四世代(VSD型)

製造期間:2017年〜現在

京三が2017年の自社筐体製造終了に伴い信号電材から電材薄型第三世代面拡散をODM調達。VSDのDは電材の略と思われる。LEDユニット、銘板のフォーマットも電材製となっている。

星和電機

電材筐体

製造期間:2010年〜現在?

平成22(2010)年頃から、信号電材製の筐体に移行。ユニットは星和素子や星和面拡散の他に電材製の素子や面拡散もある。

日本信号筐体

大阪府で星和電機銘板の第二世代薄型(ED1176型)が少数設置された。ユニットは日亜面拡散6・8・7配列。銘板はなぜか信号電材FMTのものとなっている。理由は不明だが、銘板のみ信号電材から調達していた可能性が高い。

三工社

日本信号第一世代

東京都と埼玉県で三工社銘板のODM灯器が設置されている。素子ユニットのみ設置されており、面拡散ユニットは設置されていない。

関連項目

参考文献