「経過時間表示」の版間の差分

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'''経過時間表示'''(けいかじかんひょうじ)とは、[[信号灯器]]が赤から青に変わるまでの待ち時間および信号が青から赤に変わるまでの残り時間を表示する信号灯器、および付随する機器をさす。'''待ち時間表示'''とも。
'''経過時間表示'''(けいかじかんひょうじ)とは、[[信号灯器]]が赤から青に変わるまでの待ち時間および信号が青から赤に変わるまでの残り時間を表示する信号灯器、および付随する機器をさす。'''待ち時間表示'''ともいう。


== 概要 ==
== 概要 ==
現在の現示がいつまで続くのかが従来の灯器では不明瞭なため、横断しようとする歩行者のストレスにもつながっていたことからこの仕組みが現れた。
大規模交差点や歩車分離制御を行う交差点では、横断歩行者の信号待ち時間が長く信号無視を誘発する危険性がある。そこで、赤信号、青信号の残り時間を表示する装置、機能が設置されることがある。


当初は灯器の横に付随する機器を設置し、メーターあるいは秒数で表すものが主流だったが、[[LED式]]になりレンズ内に余裕ができたためにメーターを灯器に内蔵するケースが出現した。現在はこちらが主流となっている。
電球式では歩灯の横に表示器を設置していた。[[LED式]]ではレンズ内にメーターを内蔵する経過時間表示付き歩灯が開発され、現在はこちらが主流である。


細かな分類は後述する。
また、ほとんどの場合歩灯に設置されるが、交互通行制御を行う車灯に設置されることもある。


== 表示の種類 ==
== 種類(常設) ==
[[ファイル:Suuji.jpg|サムネイル|128x128ピクセル|数字を表示する表示器]]
[[ファイル:Suuji.jpg|サムネイル|128x128ピクセル|数字を表示する表示器]]
[[ファイル:Keikajikan2.jpg|サムネイル|128x128ピクセル|点を表示する表示器]]
[[ファイル:Keikajikan2.jpg|サムネイル|128x128ピクセル|点を表示する表示器]]


=== 数字を表示するタイプ ===
=== 数字表示型 ===
待ち時間および残り時間を数字を用いて表示する。原則5秒刻みでカウントダウンする。愛知県や富山県などでよく見かけることができるが、関東地方にはほぼ存在しない。
待ち時間および残り時間を7セグメントを用いた数字で表示する。原則5秒刻みでカウントダウンする。愛知県や富山県などでよく見かけることができるが、関東地方にはほぼ存在しない。


始めの数値は1秒刻みであることが多く、その後5秒刻みに切り替わる。
始めの数値は1秒刻みであることが多く、その後5秒刻みに切り替わる。


=== 点や棒を表示するタイプ ===
=== 砂時計・目盛型 ===
待ち時間および残り時間を点や棒を用いて表示する。時間が経過するにしたがって上から順に滅灯していき、灯火が切り替わるのと同時に全て滅灯する。1つのメーターに赤と青のLEDが敷き詰められており、両方現示することもできる。
待ち時間および残り時間を点や棒を用いて表示する。時間が経過するにしたがって上から順に滅灯していき、灯火が切り替わるのと同時に全て滅灯する。1つのメーターに赤と青のLEDが敷き詰められており、両方現示することもできる。


=== 信号機内蔵のタイプ ===
一部の個体は警交仕規第213号「歩行者用交通信号待時間表示装置」や、警管仕第3号「歩行者用待時間表示装置」に準拠している。
 
=== [[経過時間表示付き歩行者用交通信号灯器|目盛型(歩灯内蔵・ゆとりシグナル)]] ===
[[ファイル:Keikajikan3.jpg|サムネイル|128x128ピクセル|信号機内蔵のタイプ]]
[[ファイル:Keikajikan3.jpg|サムネイル|128x128ピクセル|信号機内蔵のタイプ]]
LED式信号機にのみ見られるタイプで、灯火が切り替わると同時に点灯し、時間が経過するにしたがって上から順に滅灯していき、灯火が切り替わるのと同時に全て滅灯する。
LED式灯器にのみ見られるタイプで、灯火が切り替わると同時に点灯し、時間が経過するにしたがって上から順に滅灯していき、灯火が切り替わるのと同時に全て滅灯する。
 
経過時間表示の制御ユニットは歩灯筐体内部に設置される。
 
本格的に登場したのは平成15(2003)年頃で、この当時は経過時間付き歩灯の仕様が定まっていなかったため、地域によって目盛の数や表示位置が異なる状態であった。また、灯器には警交仕規がそもそもなかったり、空欄だったりしていた。<ref group="注釈">とくに[[コイト電工|小糸工業]]が顕著で、U形歩行者用交通信号灯器の銘板だが警交仕規欄が存在しないものが一時期大量に存在した。</ref>(これは各メーカーによる準拠の範囲を超えた独自仕様という扱いと思われる)。


本格的に登場したのは平成15(2003)年頃で、この当時は経過時間付き歩灯の仕様が定まっていなかったため、各メーカー各灯器各地域においてバラバラな規格を使用していた。銘板も警交仕規がそもそもなかったり、空欄だったりしていた。<ref group="注釈">とくに[[コイト電工|小糸工業]]が顕著で、U形歩行者用交通信号灯器の銘板だが警交仕規欄が存在しないものが一時期大量に存在した。</ref>(これは各メーカーによる準拠の範囲を超えた独自仕様という扱いと思われる)。
平成18(2006)年に警察庁により「経過時間表示付き歩行者用交通信号灯器に関する設置・運用方針の制定(平成18年5月30日付け警察庁丁規発第38号)」が制定された<ref>警察庁. [https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20240326_6.pdf 経過時間表示付き歩行者用交通信号灯器に関する設置・運用指針の制定について(通達)]. R6.3.26(継続)</ref>。これにより版が改定され、警交仕規が付与された。


同時期に警察庁により「経過時間表示付き歩行者用交通信号灯器に関する設置・運用方針の制定(平成18年5月30日付け警察庁丁規発第38号)」が定義されている<ref>警察庁. [https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20240326_6.pdf 経過時間表示付き歩行者用交通信号灯器に関する設置・運用指針の制定について(通達)]. R6.3.26(継続)</ref>。これにより版の改定などもあり警交仕規の番号がしっかり付与されることになった。
平成21(2009)年に警交仕規第1014号が定められた際、経過時間付き歩灯もこれに内包された。


平成21(2009)年に警交仕規第1014号が定められた際、経過時間付き歩灯もこれに内包されることになった。
東京都ではかなりの数の灯器にこれが用いられており、経過時間表示付きユニットへの[[ユニット換装|換装]]も行われている。
 
== 種類(試験設置) ==
経過時間表示装置は、かつて複数の種類が制作された。ここでは試験設置されたものの採用に至らなかった種類を示す。
 
=== 車灯用表示器 ===
昭和34(1959)年、車両用灯器のすぐ側に何秒後に現示が変わるかを知らせる信号現示経過表示装置が設置された。数字表示型と10段階の目盛型が試験設置されたものの、本格採用には至らなかった<ref>改訂 交通信号の手引き,社団法人 交通工学研究会,平成18年7月</ref>。
 
=== 砂時計型(歩灯内蔵) ===
平成16(2004)年、長野県に動くLED式歩行者用灯器(日本信号製)が試験設置された。これは青灯火の人形がアニメーションで動く機能を有するものであるが、点灯していない方の灯火に6段階の砂時計型の経過時間表示機能を有した。動く灯器そのものが本格採用には至らなかった<ref>交通信号機博物館,LED交通信号灯器,https://signal-net.sakura.ne.jp/sig_ani1-1.htm<nowiki/>,2026-0107参照</ref>。
 
=== 数字表示型(歩灯内蔵) ===
平成18(2006)年、愛知県に数字表示を内蔵したLED式歩行者用灯器(信号電材製)が試験設置された。これは点灯していない方の灯火に7セグメントを用いた数字で表示するものである。この方式の経過時間表示付き歩行者用灯器は、主に中国で標準的に用いられるものであるが、日本では本格採用には至らなかった<ref>名駅経済新聞,愛知県警、名駅に新型歩行者用信号機を試験設置,https://meieki.keizai.biz/headline/215/<nowiki/>,2026-0107参照</ref>。


== 経過時間のカウントの仕方 ==
== 経過時間のカウントの仕方 ==
[[信号制御#定周期式|定周期]]制御や[[信号制御#プログラム(多段)式|プログラム多段]]などの場合は、各現示の秒数は原則固定であるためにその秒数がしっかりカウントされるが、[[信号制御#感応式|感知式]](単純な半感応式、右折矢印延長用感知などをすべて含む)や[[信号制御#押ボタン式|押ボタン式]]など、この現示がいつまで続くか判断が困難な制御をしている場合は直前の現示時間を基にカウントを行うことが多い。
ほとんどの場合、経過時間表示は交通信号制御機と直接通信していない。歩行者用灯器の灯火と接続されており、前回の現示の時間から表示を決定する仕組みである。
 
[[信号制御#定周期式|定周期]]制御や[[信号制御#プログラム(多段)式|プログラム多段]]などの場合は、各現示の秒数は原則固定であるため問題なくカウントされる。しかし、[[信号制御#感応式|感知式]](単純な半感応式、右折矢印延長用感知などをすべて含む)や[[信号制御#押ボタン式|押ボタン式]]では、現示の時間が常に一定ではない。この場合、表示の正確性が失われる。


メーターが減っていく方式(内蔵・外付けともに)は最後の1目盛りか最初の状態で調整を行うことが多い。そのため、中間フェーズと初期もしくは最後のフェーズは時間が異なる(待たずして切り替わる場合もある)。
メーターが減っていく方式(内蔵・外付けともに)は最後の1目盛りか最初の状態で調整を行うことが多い。そのため、中間フェーズと初期もしくは最後のフェーズは時間が異なる(待たずして切り替わる場合もある)。


数字を表示するものは前述のとおりの動作をすることが多いため、短い場合は残り5秒などで突然切り替わったり途中で数字が増えたりする<ref>銀連放送. [https://www.youtube.com/watch?v=K7fNYxNOUwA 【交通信号機(s21)】時空のゆがみを経験できる交差点 @ 「金山橋北」交差点]. 2025/8/24参照</ref>。
数字を表示するものは前述のとおりの動作をすることが多いため、短い場合は残り5秒などで突然切り替わったり途中で数字が増えたりする<ref>銀連放送. [https://www.youtube.com/watch?v=K7fNYxNOUwA 【交通信号機(s21)】時空のゆがみを経験できる交差点 @ 「金山橋北」交差点]. 2025/8/24参照</ref>。
== 製造メーカー ==
=== 外付機器 ===
* [[京三製作所]]
* [[コイト電工|小糸工業(コイト電工)]]
* [[名古屋電機工業]]
* [[交通システム電機|陸運電機(交通システム電機)]]
=== 経過時間表示付き歩行者用灯器 ===
* 京三製作所
* 小糸工業(コイト電工)
* [[三協高分子]]
* [[信号電材]]
* [[星和電機]]
* 日本信号


== 注釈 ==
== 注釈 ==