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LED式

提供:信号機Wiki

LED式(-しき)とは、信号灯器の点灯部がLED(ユニット)によって構成されているものを指す。

概要[編集]

従来の電球式(白熱電球)は、電力効率が悪く消費電力が多く、さらに寿命も短い(約1~2年で交換される)ものだったため、信号灯器の高寿命化のためにLED(発光ダイオード)を使用する検討がされた。

平成6(1994)年7月22日に、愛知県で日本初のLED式矢印灯器が設置された(現在は撤去済み)。その後、同年10月21日に、徳島県に日本初のLED式3色信号灯器が設置された。当時はLEDのコストが非常に高く、またLEDの数自体も小さく多かったため採用する地域は非常に限られていた。

全国的に広く普及するようになったのは平成13(2001)年頃で、警交仕規においてU形が採用され始めるとLEDに関する仕様も定まり、以降全国で設置が始まる。

歩行者用灯器に関しては、平成13(2001)年に神奈川県にて試験設置が行われ、その後本格採用されている。

種類[編集]

車灯[編集]

プロジェクター式(レンズユニット式)[編集]

少数(20個前後)のパワーLEDを、乳白色のレンズで拡散させて点灯する方式である。少ないLEDで点灯できるため低コストであり、欧州などでは現在でも主流の方式である。

太陽光の入射によりレンズが白色化する、LEDが少ないため発熱がひどく素子欠けによる輝度低下が激しいなどの欠点があり、日本では初期LED灯器でのみ使用された。

素子式[編集]

LED素子をレンズ内に満遍なく配置して点灯する方式である。白色化現象が発生しづらく、視認性にも優れているため現在主流の方式である。素子式灯器は更に2種類に大別される。

  • 素子式

LED素子をそのまま実装したもの。2010年ごろまでは主流であり、以降もコイト電工(神奈川県仕様を除く)、三協高分子製の灯器では主流の方式である。

  • 拡散式(面拡散式)

LED素子にレンズを用い、一つ一つのLEDがより大きく発光するように実装したもの。2010年ごろから、日亜化学信号電材製ユニットを装着した灯器で用いられている。レンズの使用によりLEDの素子数を削減することができるため、より消費電力を抑えることができる。

歩灯[編集]

プロジェクター式[編集]

少数(20個前後)のパワーLEDを、乳白色のレンズで拡散させて点灯する方式である。少ないLEDで点灯できるため低コストであり、欧州などでは現在でも主流の方式である。

太陽光の入射によりレンズが白色化する、LEDが少ないため発熱がひどく素子欠けによる輝度低下が激しいなどの欠点があり、日本では京三製の厚型灯器でのみ使用された。

素子式[編集]

LED素子をレンズ内に満遍なく配置して点灯する方式である。白色化現象が発生しづらく、視認性にも優れているため現在主流の方式である。素子式灯器は更に2種類に大別される。

  • 素子式

LED素子を人形に配置し、粒が露出しているもの。東京都や岐阜県などで設置されていたが、低コスト灯器以降は全国的に設置されている。

  • 拡散式

LED素子の手前に拡散板、マスクを設置し、粒が露出していないもの。厚型灯器から低コスト灯器以前まで全国的に設置された。また、日本信号は低コスト灯器以降も2025年ごろまでは拡散式灯器を製造していた。

メリット・デメリット[編集]

LED式は従来の電球式と比較して、次のようなメリット・デメリットがある。

メリット[編集]

  • 疑似点灯の防止

電球式では、西日などが当たったときに反射鏡と有色レンズによって疑似点灯が発生することがあるが、LED式では発生しない[注釈 1]

  • 省エネルギー

LED式は電球式に比べて消費電力が6分の1〜10分の1程度[1]であり、省エネルギー効果が高い。

  • 長寿命

警察庁は、ホームページ上で「電球式の場合、約半年から1年程度の寿命であるのに対し、LED式の寿命は、概ね6年から8年と見込まれており、今後の技術進歩によりさらに長くなることも期待されます。」[1]と紹介している。

日亜化学工業は、「一度設置すれば10年間は交換が不要」[2]としている。

現実的には10年程度で更新されることは稀で、既に30年以上点灯しているLED灯器もある。

  • 薄型化・軽量化

素子LEDの場合は、反射鏡などの構造が必要ないため、筐体を薄型化・軽量化することができる。特に低コスト灯器ではかなりの薄型化が行われている。

  • 安全性

近年のLED式は複数の素子、回路を有するため、一部のLEDや回路が故障しても完全滅灯しないフェールセーフ構造となっている。

デメリット[編集]

  • 着雪
着雪している信号機
着雪によって灯火が見えにくくなっているLED信号機。2023年に新潟県で撮影。

LEDは発熱量が少ないため、レンズに付着した雪が溶けにくく、信号が見えなくなることがある。そのため、信号機を縦型にする、カプセルフードを取り付ける、前方に傾ける、レンズに融雪ヒーターを取り付けるなどの対策が行われている。

  • 雷害

LEDは半導体であるため、高電圧による故障が発生しやすい。屋外に設置される信号機は雷サージの影響を受ける場合が多く、これが素子欠けや滅灯の原因となることが多い。

  • 光源交換

LED式灯器は素子欠け、滅灯発生時に灯器ごと更新しなければならない場合がある。φ300灯器では適合するユニットに換装される場合もあるが、低コスト灯器や一部のLED歩灯は互換性の問題等から換装できない場合がある。

注釈[編集]

  1. 電球式信号機の白熱電球をLED電球に交換した場合、プロジェクター式LED灯器等は疑似点灯を防止できない。

参考文献[編集]

  1. 1.0 1.1 警察庁. “LED式信号灯器に関するQ&A”. 警察庁Webサイト. n.d. https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/annzen-shisetu/hyoushiki-shingouki/led/led.html, (2025/09/11参照).
  2. 日亜化学工業株式会社. “青色LEDで変わったもの(信号・ディスプレイ・スキャナー)”. ブログ | 日亜化学工業株式会社. 2023. https://led-ld.nichia.co.jp/jp/blog/m000011.html, (2025/09/11参照).

関連項目[編集]