「おにぎり歩灯」の版間の差分

羽井出 (トーク | 投稿記録)
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銀河連邦 (トーク | 投稿記録)
多分このレンズ二重網目レンズ(第二世代)のものなので文章差し替え(誤っていたら議論ページなどで)
 
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=== 過渡期 ===
=== 過渡期 ===
昭和52(1977)年頃より、レンズが後代の二重網目レンズになった筐体が設置されている。初代おにぎりもこの時期に並行して設置されていたことから、この時期に設置された後代のレンズは'''過渡期'''と呼んで区別する場合がある。第二世代おにぎりとの相違点として、庇が初代おにぎりのように角丸になっていることが挙げられる。広義の意味での過渡期は昭和53(1978)年11月頃までに設置されたものを指す。
昭和52(1977)年頃より、レンズが後代の二重網目レンズになった筐体が設置されている。初代おにぎりもこの時期に並行して設置されていたことから、この時期に設置された後代のレンズは'''過渡期'''と呼んで区別する場合がある。第二世代おにぎりとの相違点として、庇が初代おにぎりのように角丸になっていることが挙げられる。広義の意味での過渡期は昭和53(1978)年11月頃までに設置されたものを指す。
過渡期の中でもさらに細分化して区分する場合もあり、その場合は以下のタイプが存在する。
==== S53.8型 ====
昭和53(1978)年8月のみ、従来の過渡期の特徴を保ったまま、警交仕規第30号に準拠した灯器が設置された。この時期のものをS53.8型と呼び区別することがある。
==== S53.10型 ====
昭和53(1978)年9月~10月頃に、庇の形が過渡期と第二世代の中間のようになった(角がややついた)ものが設置された。これをS53.10型と呼び区別することがある。非常に限定的な時期なうえ、おにぎり歩灯のフードはこの時期のものは大抵変形してしまっており、見分けるのはかなり難しい。


=== 第二世代(網目レンズ) ===
=== 第二世代(網目レンズ) ===
過渡期の節でも触れた、二重網目レンズを採用した後期筐体を指す。レンズの人型は白色の樹脂を埋め込んでいるものとなっている。昭和53(1978)年~昭和59(1984)年頃まで製造された。フードもアルミ材となり、錆びにくくなった。
過渡期の節でも触れた、二重網目レンズを採用した後期筐体を指す。レンズの人型は白色の樹脂を埋め込んでいるものとなっている。昭和53(1978)年~昭和59(1984)年頃まで製造された。フードもアルミ材となり、錆びにくくなった。


庇が角張り、警交仕規第30号に準拠した「[[警交仕規第30号|金属製歩行者用交通信号灯器]]」銘板となっている。昭和53(1978)年11月~昭和55(1980)年半ばまでは製造番号が「XX_Y」(X,Yには任意の数字)のような形であることが多く、昭和55(1980)年半ば~昭和57(1982)年頃まで製造番号が数字4桁となり、以降は数字6桁となっている。
庇が角張り、警交仕規第30号に準拠した「[[警交仕規第30号|金属製歩行者用交通信号灯器]]」銘板となっている。昭和53(1978)年11月~昭和55(1980)年半ばまでは製造番号が「XX_Y」(X,Yには任意の数字)のような形であることが多く、昭和55(1980)年半ば~昭和57(1982)年頃まで製造番号が数字4桁となり、以降は数字6桁となっている。前述した製造番号の世代はその時期にちなみ、S54型と呼ばれることもある。


=== 第三世代 ===
=== 第三世代 ===
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第三世代と第四世代の区別は「電球式かLED式か」で分類する場合と、「金属製~銘板かU形・1014号銘板か」で分類する場合があるため、やや定義があいまいになっている。
第三世代と第四世代の区別は「電球式かLED式か」で分類する場合と、「金属製~銘板かU形・1014号銘板か」で分類する場合があるため、やや定義があいまいになっている。
{| class="wikitable"
|+おにぎり歩灯の分類表(銘板の違いなども含む)
!分類名称
!設置時期(概ね)
!レンズ
!銘板
!警交仕規
!庇
!ロゴ
|-
|初代(ロゴあり)
|昭和42(1967)~昭和46(1971)
|プラスチックレンズ
|ネジ止め
|交通信号灯器
|角丸
|あり
|-
|初代(ロゴあり)
|昭和47(1972)~昭和48(1973)年9月
|プラスチックレンズ
|直貼り
|交通信号灯器
|角丸
|あり
|-
|初代(ロゴあり)
|昭和48(1973)年10月~昭和50(1975)
|プラスチックレンズ
|ネジ止め
|歩行者用交通信号灯器
|角丸
|あり
|-
|初代(ロゴなし)
|昭和50(1975)~昭和53(1978)
|プラスチックレンズ
|ネジ止め
|歩行者用交通信号灯器
|角丸
|なし
|-
|過渡期
|昭和52(1977)~昭和53(1978)年7月
|二重網目レンズ
|ネジ止め
|歩行者用交通信号灯器
|角丸
|なし
|-
|S53.8型
|昭和53(1978)年8月
|二重網目レンズ
|ネジ止め
|金属製歩行者用交通信号灯器
|角丸
|なし
|-
|S53.10型
|昭和53(1978)年9月~11月
|二重網目レンズ
|ネジ止め
|金属製歩行者用交通信号灯器
|やや角丸
|なし
|-
|S54型
|昭和53(1978)年12月~昭和55(1980)年
|二重網目レンズ
|ネジ止め
|金属製歩行者用交通信号灯器
|角付き
|なし
|-
|第二世代
|昭和55(1980)~昭和59(1984)
|二重網目レンズ
|ネジ止め
|金属製歩行者用交通信号灯器
|角付き
|なし
|-
|第三世代(前期)
|昭和58(1983)~平成9(1997)年8月
|ガラスレンズ
|ネジ止め
|金属製歩行者用交通信号灯器
|角付き
|なし
|-
|第三世代(後期)
|平成9(1997)年9月~平成22(2010)
|ガラスレンズ
|ネジ止め
|U形歩行者用交通信号灯器
|角付き
|なし
|-
|第四世代(前期)
|平成13(2001)~平成21(2009)年12月
|LED拡散型
|ネジ止め
|U形歩行者用交通信号灯器
|角付き
|なし
|-
|第四世代(後期)
|平成21(2009)年12月~平成22(2010)
|LED拡散型
|ネジ止め
|交通信号灯器(歩行者用)
|角付き
|なし
|}
== 擬態・逆交換について ==
[[ファイル:擬態.jpg|サムネイル|326x326ピクセル|擬態おにぎりの例。筐体は初代、レンズは第二世代になっている。]]
おにぎり歩灯は、規格がほとんど変わらなかったことから、前代の筐体に後代のレンズを換装したり、その逆を行ったりということが容易にできた。そのため、筐体・レンズ・庇などが上記の分類とは全く異なる状態になっていることがある。この現象を'''擬態'''(ぎたい)と呼ぶことがある。主に老朽化したレンズの交換が多く、初代のプラスチックレンズが焼け視認性が悪くなった場合に第三世代のガラスレンズに換装する例が最も多く、このパターンがよく擬態と呼ばれる。
一方、筐体は第二世代、あるいは第三世代以降でありながら、庇の形状が初代だったり、ロゴが入っていたりすることもある。この場合、もともと後代の灯器が設置されていたものを何らかの形で蓋ごと初代のものに交換した、と捉えることができ、このような現象を'''逆交換'''(ぎゃくこうかん)と呼ぶことがある。
あらゆる部品に互換性があるため、「筐体は第二世代」「赤レンズはガラスレンズ」「青レンズは樹脂のレンズ」「庇は初代」「表面が黒塗装」と言ったキメラのようなおにぎり歩灯が存在していたことがある<ref>銀連放送.[https://youtu.be/eWJ1WRQbZI8 原型を全くとどめていないおにぎり].(YouTube)</ref>。


== 西日対策・その他 ==
== 西日対策・その他 ==
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* 香川県には、LED式の試験設置として電球式の色使いをそのまま再現した(すなわち、人形を白く光らせ周りを赤・緑で光らせる)おにぎりが設置されている。[[ファイル:香川 おにぎり試験設置.JPG|代替文=試験設置おにぎり|サムネイル|香川県に設置された試験設置のLED式おにぎり]]
* 香川県には、LED式の試験設置として電球式の色使いをそのまま再現した(すなわち、人形を白く光らせ周りを赤・緑で光らせる)おにぎりが設置されている。[[ファイル:香川 おにぎり試験設置.JPG|代替文=試験設置おにぎり|サムネイル|香川県に設置された試験設置のLED式おにぎり]]
* 過渡期は庇の形の違い、銘板の時期、製造番号によりさらに細かく分類されることがある。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
<references />{{デフォルトソート:おにきりほとう}}
<references />{{デフォルトソート:おにきりほとう}}
[[カテゴリ:灯器]]
[[カテゴリ:灯器]]