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弁当箱

提供:信号機Wiki
弁当箱歩灯から転送)

弁当箱(べんとうばこ)歩灯とは、京三製作所日本信号がかつて製造していた金属製の歩行者用信号灯器の俗称。なお、FRPの近似したタイプも同様に呼ぶことが多い。

弁当箱歩灯
滋賀県長浜市に設置されている弁当箱
製造期間 昭和41(1966)~昭和62(1987)年6月
採用地域 全国
残存数 全国的に少数
メーカー 京三製作所、日本信号
警交仕規 なし / 第8号(記載なし) / 第30号
レンズ ツルツルレンズ、ガラスレンズ(旧レンズ)など
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概要[編集 | ソースを編集]

昭和41(1966)年の歩行者用信号灯器の制定の際に京三製作所、日本信号がそれぞれ近似した筐体を製造し、昭和62(1987)年まで製造されたロングセラー。日本信号のものと京三製作所のものでは若干筐体に差がある。名前の由来はその見た目から。

特徴[編集 | ソースを編集]

レンズ[編集 | ソースを編集]

当初はツルツルレンズと呼ばれる、表面に模様がない人形が浮き出るようなレンズが採用されていた。その後、昭和52(1977)年頃までは旧レンズと呼ばれる2代目のレンズが採用された。ただしこのレンズは後年の経年劣化に伴うひび割れ、曇りなどで視認性が著しく悪いものが多かったため更新が多く進んでおり、更新されていない灯器に関してもレンズが後代のものに交換されていることが多く、純正で残っているのはかなり少ない。

昭和52(1977)年頃から六角歩灯でも使用されているガラスレンズを採用するようになり、視認性が向上した。前述のとおり旧レンズはこのレンズに更新されていることが多い。

なお群馬県では独自の群馬濃色レンズを使用しており、通常のガラスレンズに比べてより色が濃く青が青々しくなっている。

銘板[編集 | ソースを編集]

基本的に警交仕規の制定に伴い銘板が切り替わっている。京三製作所の昭和54(1979)年以前の銘板(ほとんどが警交仕規の記載なし)に関しては紫外線による劣化で銘板の印字はほぼ消えているか赤みを帯びており、刻印しか見えない状態となっているものが多い。

西日本では昭和50年代後半まで警交仕規の記載がない歩行者用信号灯器銘板が用いられていたことがある。

昭和44(1969)年頃までは銘板が灯器の側面についている。2025年8月24日現在、この世代の灯器は兵庫県に1基残すのみである。なお、FRP製のものに関しては警交仕規で定められていなかったこともあり警交仕規欄が空欄になっているものやそもそも存在しないことが多い。

京三製作所において、東日本(製造番号がTから始まる)のものはTが刻印になっているのが特徴である。

東日本のもの(撮影場所は埼玉県川越市)。上部を見るとやや丸みを帯びている。

フード[編集 | ソースを編集]

フードの形状は大きく変化していないが、FRP製のものや西日本の一部は庇の上部が平べったくなっていることがある(記事先頭にある画像は平べったくなっている例で、右(上)に掲載している画像は通常のものとなる)。このフードは六角歩灯で使用されているものとは若干異なる。

その他[編集 | ソースを編集]

京三製作所と日本信号の筐体は蓋のねじの数(や位置)が違うなどのいくつか細部に異なる点がある。

注釈[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]

関連項目[編集 | ソースを編集]

  • 六角歩灯 …… 次の世代の金属製歩灯(日本信号・京三製作所共通)