クチバシ

クチバシは、京三製作所の初期の鉄板灯器に使われていた尖った形状の庇、および、その庇が取り付けられている鉄板灯器のことである。
概要
京三製作所は、昭和53年頃から鉄板灯器(共通丸型灯器)を製造しており、昭和56年3月頃までの鉄板灯器には京三特有の形状の庇が使われていた。それ以降の庇は日本信号や小糸工業とほぼ同じ形状に変更されている。都道府県によっては、宇宙人からクチバシに移行した後も宇宙人を採用していたり(福島県など)、両方とも採用していたりする(大阪府など)。
宇宙人や角型の庇と似ているが、別物である。クチバシと宇宙人の見分け方は、灯器の形状と灯器取付金具の位置である。宇宙人はクチバシよりも形状が丸く、ネジ(庇取付金具)が60度ずつある。クチバシは90度であり、鉄板灯器と全く同じ形状である。
(クチバシと宇宙人の違いについて、追記予定です)
確実な見分け方は、クチバシは横から見たときにネジが近距離にあるが、宇宙人は離れている。
詳細は宇宙人とクチバシ見分け方を参照。
分類
クチバシは以下のように分類できる。関東型は製造番号がTから始まり、東日本に設置された。関西型は製造番号がZから始まり、西日本に設置された。
初期型
昭和53年末頃から昭和54年6月頃まで製造されていたタイプ。庇や台座などが溶接となっている。関東型ではこの世代からすでに警交付きである。
中期型
昭和54年7月頃?から昭和55年11月まで製造されていた。庇や台座がネジ止めに変更されている。この世代から黒銘板となっている。庇取付金具は、3箇所ともだるま穴がある。
後期型
上側の庇取付金具のだるま穴が無くなっている。
後期型(関東型)
関東型は昭和55年11月から昭和56年3月まで製造されていた。上側の庇取付金具のだるま穴が無くなった。後代の通常庇は昭和56年2月の鉄板灯器にも見られるため、2月から3月は過渡期と思われる[1]。
後期型(関西型)
関西型は昭和55年4月頃?から昭和56年1月頃?まで製造されていた。関西型には後期型クチバシしか存在しない可能性が高い。また、関東型と異なり、末期を除いて警交無しである。
北海道型
北海道に昭和54年4月〜5月頃製造のものが複数設置されていた。クチバシの中で唯一、下側の台座が無いタイプである。また、通常のタイプでは庇や台座が溶接の世代だが、こちらはなぜかネジ止めになっている。中期型クチバシ(昭和54年7月頃〜)や通常庇の関東型鉄板灯器(昭和56年〜)の特徴を先取りしている。
豪雪型
縦型用の蓋止め金具が追加されているタイプ。新潟県に設置されていた。
参考文献
- ↑ 羽井出. https://twitter.com/sv2nt/status/1452240733201567754?s=46&t=EtxV-AJJ6PVxyUDwkrMuzA, X. 2021, (参照 2025-01-08)