六角歩灯(ろっかくほとう)とは、主に日本信号京三製作所がかつて製造していたアルミ歩灯のこと。なお、ここでは電球式LED式双方において記載する。

六角歩灯
神奈川県に設置されている六角歩灯
上位分類 アルミ灯器
製造期間 昭和61年10月頃~平成22年
採用地域 全国的に広く採用
残存数 全国的に広く残存
メーカー 日本信号京三製作所
警交仕規 第30号第219号第1014号
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概要

前身は弁当箱と呼ばれており、そこから材質をアルミニウム合金に変更したタイプが六角歩灯と呼ばれている。昭和62(1987)年度より製造が開始され、昭和63(1988)年頭頃迄は弁当箱と平行して設置されていた。アルミニウム製のため、錆が発生しない[注釈 1]

名称の由来は、横、あるいは底面を見た時に六角形になっていることと思われる。

基本的に表面は大きく変化はしていないが、若干フードが角ばった。背面はシンプルな曲線からでっぱりのあるごつごつした見た目になり、若干スリムになった。レンズは特に変化していない。

京三

昭和62(1987)年度より製造開始。日本信号製と酷似した筐体だが、微妙な差異があり(下記参照)あくまで自社製であると推察される。 基本的に終始警交仕規第30号準拠だが、埼玉県等では警交仕規第219号準拠のものが一定数見られる。日本信号とは異なりいずれの仕様でも形式は「人形」に統一されている。平成6(1994)年頃からは松下通信工業へのODM供給が行われ、インターレスレンズ飴色レンズを搭載したものが一部地域で設置された。その後平成11(1999)年夏に新たな自社製アルミ筐体(所謂京三おまる歩灯)を開発した事により、同年度末で製造が打ち切られた。しかし栃木県では何故か2005年度に先祖返りする形で本灯器が少数設置された。筐体の特徴かられっきとした自社製であり、在庫整理品である可能性が高い。形式はおまる歩灯と同じ「PLA-PVUD」。また福島県等では日本信号からのODM供給品であるLEDタイプのものが少数見られ、こちらも同様の形式となっている。 北海道では濃色レンズを搭載したものが設置された。


日本信号

昭和62(1987)年度より製造開始。京三製と酷似した筐体だが、微妙な差異があり(下記参照)あくまで自社製であると推察される。 平成9(1997)年頃に警交仕規第219号準拠に改められ、形式がそれ迄の「人形」から「ED1311M」に変わったが、筐体自体の変更は無かった。しかし、平成12(2001)年に形式が「ED1315A」に変更されると同時に筐体のマイナーチェンジが行われ、筐体前部と後部との接続方式がパチン錠になり、蝶番の形状も独自のものに変更された。その後平成14(2002)年に再度パチン錠の変更が行われ、針金型からばね型の現行タイプになった。これ以降筐体の変更は無い。翌平成15(2003)年からはLEDタイプが登場した。その後電球式のものは平成24(2012)年頃迄製造され、LEDタイプのものは平成26(2014)年迄製造されていた。 群馬県・北海道では濃色レンズを搭載したものが設置されていた。

※日本信号製は京三とほぼ共通筐体を1世代目、1回目のマイナーチェンジ後の筐体を2世代目、2回目のマイナーチェンジ後の筐体を3世代目とする。

日本信号と京三製作所の筐体の違い

日信六角型1世代目と京三六角歩灯は筐体の構造が酷似しており判別が難しいが、いくつか差異がある。

①庇の形状

日本信号はやや丸みのある庇であるのに対し、京三のものは角ばっている。

※ただし日本信号製でも製造初期(昭和62(1987)年製)のものは京三に似た形状の庇を搭載したものがある。

②塗装の剥げ

京三製のものは庇上部の塗装が剥げ、素材のアルミ合金が露出しているものが非常に多く、区別の指標となる。

③蝶番の軸

日本信号製のものは蝶番の軸が上下に飛び出しているが京三製にはそれが見られない。

ED1315A世代になると灯器のマイナーチェンジが行われる為判別は容易になる。

関連項目

注釈

  1. アームやその他設置物からもらい錆を受けて結果錆びているように見えるものはいくつか確認できる。