素子欠け
素子欠け(そしかけ)とは、LED式の信号灯器においてレンズユニット内の一部のLED(発光ダイオード)が何らかの理由で減灯することにより発生する現象である。
概要
LED式の信号灯器はレンズ内にLED(発光ダイオード)を敷き詰めた形となっているが、このLEDの輝度低下、あるいは消灯により全体的な輝度が低下することがある。
素子はたくさんあるため、1つ欠けた状態であればあまり支障はないが、面拡散型のレンズなどを使用している場合や、小糸工業のC型ユニットのように素子数がもともと少ない場合においては顕著な輝度低下になることもある。
LEDそのものが故障した場合その素子のみが滅灯する場合が多く、視認性に大きな影響を与える場合は少ない。しかし、LEDユニット内の回路異常により、直列接続された素子をつなぐ系統が何かしらの原因で断線すると、その系統に繋がる素子全てが消灯する。多くのLED灯器では断線しても完全滅灯しないよう、点灯系統を複数に分けているため、この場合は歯車のような点灯パターンになる場合が多い。特に星和電機の薄型LED灯器などで顕著な症状である。
LED式の場合、素子そのものを交換することが難しい(あるいはできない)ものがあり、大抵の場合はユニットごと交換される。そのため、多少の素子欠けの場合は放置されることが多い。
2025年3月29日現在、概ね製造から15年以上経過した厚型LED灯器等の素子欠けがかなりみられる。薄型LED灯器、強いては低コスト灯器であれども見られることもある。
原因
雷サージ
LEDは半導体であり、高電圧に弱いとされている。信号機は屋外に設置されるものであり、直接落雷しなくてもサージ電流が侵入し影響を及ぼす場合がある。雷サージによる破損を防ぐため灯器内などにバリスタが備えられる場合が多いが、防ぎきれず素子欠けが発生する場合がある。
浸水・結露
パッキンの劣化等に伴い雨水がユニット内に侵入すると、基板上のパターン(銅箔)等を腐食させ素子欠けが発生する場合がある。また、寒暖差の大きい地域等に設置された灯器はユニット内が結露する場合があり、これも腐食を促進させる可能性がある。
振動
信号機は道路に設置されるものであり、走行車両や風などにより振動する。長年の振動により基板とLEDを繋ぐハンダにクラック(ひび)が発生することにより素子欠けが発生する場合がある。点灯したりしなかったり不安定な場合は、クラックによる接触不良の可能性が高い。
経年劣化
LEDは非常に長寿命であるが、幹線道路等に設置された灯器や押ボタン式制御で使用されている灯器では、一つの灯火が極端に長時間点灯し続けることにより耐用年数を超過する場合がある。この場合、素子欠けのほか輝度低下も発生することが多い。