「歩行者用押ボタン箱」の版間の差分
警交仕規第1014号 (トーク | 投稿記録) さらに追記 |
細 サブカテゴリへ移動 |
||
(3人の利用者による、間の5版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
'''歩行者用押ボタン箱''' | [[ファイル:歩行者用押ボタン箱(Ⅰ形).png|サムネイル|歩行者用押ボタン箱(Ⅰ形)]] | ||
'''歩行者用押ボタン箱'''(ほこうしゃようおしぼたんばこ)とは、歩行者・軽車両等の横断要求の情報を送信するための押ボタンを含む筐体または装置である。便宜上「歩行者用」とするが、自転車・二輪車等にも使用される。また、広義では[[高齢者等用押ボタン箱]]も歩行者用押ボタン箱に含まれるが、ここでは横断用のものを扱う。 | |||
== 概要 == | == 概要 == | ||
6行目: | 7行目: | ||
== 警交仕規 == | == 警交仕規 == | ||
* 警交仕規第39号 「 」形歩行者用押ボタン箱 | * [[警交仕規第39号|警交仕規第39号 「 」形歩行者用押ボタン箱]] | ||
* 警交仕規第302号 「 」形歩行者用押ボタン箱 | * [[警交仕規第302号|警交仕規第302号 「 」形歩行者用押ボタン箱]] | ||
* [[警交仕規第1016号|警交仕規第1016号 歩行者用押ボタン箱]] | * [[警交仕規第1016号|警交仕規第1016号 歩行者用押ボタン箱]] | ||
28行目: | 29行目: | ||
* '''厚箱''' | * '''厚箱''' | ||
筐体が分厚いもの。基本的に警交仕規第39号のものであるが、警交仕規第302号以降も設置金具の都合等で設置される場合がある。 | |||
* '''薄箱''' | * '''薄箱''' | ||
筐体が薄いもの。警交仕規第302号以降は基本的にこれが使用される。 | |||
* '''その他''' | * '''その他''' | ||
[[歩行者用タッチ式スイッチ]]は従来の押ボタン箱と大きく異なる筐体形状であり、ユニバーサルデザインとなっている。 | [[警管仕第42号|歩行者用タッチ式スイッチ]]は従来の押ボタン箱と大きく異なる筐体形状であり、ユニバーサルデザインとなっている。 | ||
=== ボタン === | === ボタン === | ||
42行目: | 43行目: | ||
* '''押ボタン''' | * '''押ボタン''' | ||
古くから用いられている方法である。一般に赤色のボタンを押下することで横断要求を送信する。ボタンにはオムロン製のZAP型押ボタンスイッチが用いられる場合が多い。また、地域によってはゴムキャップ等を被せてボタンの保護等を行っている。 | |||
* '''タッチセンサー''' | * '''タッチセンサー''' | ||
48行目: | 49行目: | ||
一部の地域に設置された変則的な個体を除き、警交仕規第1016号から用いられている方法である。タッチセンサーを触れて横断要求を送信する。ボタンの押下が不要であるため、交通弱者等に配慮したボタンとなっている。また、この場合は取扱表示板は「横断歩行者はボタンをふれてください」、表示灯では「ふれてください」の表示がされる。高価であり耐久性も押ボタンに劣ることから採用していない地域も多い。 | 一部の地域に設置された変則的な個体を除き、警交仕規第1016号から用いられている方法である。タッチセンサーを触れて横断要求を送信する。ボタンの押下が不要であるため、交通弱者等に配慮したボタンとなっている。また、この場合は取扱表示板は「横断歩行者はボタンをふれてください」、表示灯では「ふれてください」の表示がされる。高価であり耐久性も押ボタンに劣ることから採用していない地域も多い。 | ||
また、一部地域ではユニバーサルデザインで更に交通弱者等に配慮した[[歩行者用タッチ式スイッチ]]を採用している。 | また、一部地域ではユニバーサルデザインで更に交通弱者等に配慮した[[警管仕第42号|歩行者用タッチ式スイッチ]]を採用している。 | ||
=== 表示数 === | === 表示数 === | ||
54行目: | 55行目: | ||
* '''「I」形''' | * '''「I」形''' | ||
表示部のみ点灯し、取扱表示板を備えるもの。すなわち点灯箇所が1個であるもの。 | |||
* 「'''Ⅱ」形''' | * 「'''Ⅱ」形''' | ||
60行目: | 61行目: | ||
表示部のほか、取扱表示も点灯するもの。すなわち点灯箇所が2個であるもの。ボタン非押下時は「おしてください」、押下後は「おまちください」が点灯する。 | 表示部のほか、取扱表示も点灯するもの。すなわち点灯箇所が2個であるもの。ボタン非押下時は「おしてください」、押下後は「おまちください」が点灯する。 | ||
=== | === 点灯表示方式 === | ||
* '''電球式(内照式)''' | * '''電球式(内照式)''' | ||
72行目: | 73行目: | ||
* '''LED式(赤色発光新フォント)''' | * '''LED式(赤色発光新フォント)''' | ||
DC12Vの赤色LEDを表示部に用いたもの。主に警交仕規第302号で使用された。フォントが読みやすく改良された。 | |||
* ''' | * '''LED式(白色発光新フォント)''' | ||
DC12Vの白色LEDを表示部に用いたもの。警交仕規第1016号で使用されている。赤色より視認性に優れた白色LEDの使用が可能になったことから、現在は原則これが設置される。 | |||
表示部は交換することが可能であり、一部の都道府県では警交仕規第302号以前の押ボタン箱にも白色LED式の表示部を取り付けている。 | |||
=== 付加機能 === | === 付加機能 === | ||
88行目: | 91行目: | ||
== 使用目的 == | == 使用目的 == | ||
=== 歩行者等の横断用 === | |||
押ボタン式制御の横断路や幹線閃光方式の押ボタン式制御、感応式制御等で、歩行者及び歩道を通行する自転車・特定小型原付が道路を横断するために使用する。 | |||
=== 二輪車等の通行用 === | |||
感応式制御等で二輪車等が通行するために使用する。二輪車は車体が小型であるため[[車両感知器]]等で感知されないことがあり、その場合は押ボタンを押下して通行する。 | |||
=== 自転車・原付の二段階右折用 === | |||
感応式制御等で自転車及び原付が二段階右折を行い右折するために使用する。非感応側道路の交差点左奥(二段階右折時の退避地点)に設置する。 | |||
== 設置方法 == | == 設置方法 == | ||
=== 側柱式 === | |||
信号柱等に自在バンド等を用いて固定する。最も一般的な設置方法である。 | |||
押ボタン箱用のベースを備えた鋼管柱ではベースに固定することでケーブルの露出をなくすことができる。 | |||
=== アーム式 === | |||
信号柱等からアームを伸ばし、先端に固定する。設置位置等の関係で、信号柱から離れた箇所に押ボタン箱を設置したい場合に用いる。 | |||
=== 自立式 === | |||
[[自立歩灯]]と同様、地面から細い鋼管柱で直接支持する。 | |||
== 設置位置 == | == 設置位置 == | ||
各都道府県警察によって異なるが岐阜県警察の場合、歩行者用押ボタン箱は地面から900mm以上の高さ、二輪車用押ボタン箱は1000mm以上の高さに設置する。 | |||
== 製造メーカー == | == 製造メーカー == | ||
* コイト電工 | === 現在も製造しているメーカー === | ||
* 信号電材 | |||
* 日本信号 | * [[京三製作所]] | ||
* | |||
* [[コイト電工]] | |||
* 松下通信工業 | * [[三工社]] | ||
* [[信号電材]] | |||
* [[日本信号]] | |||
* [[日本フネン]] | |||
=== かつて製造していたメーカー === | |||
* [[松下通信工業]] | |||
{{デフォルトソート:ほこうしゃようおしぼたんばこ}} | {{デフォルトソート:ほこうしゃようおしぼたんばこ}} | ||
[[カテゴリ: | [[カテゴリ:押ボタン箱]] |