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地名板

提供:信号機Wiki
幅固定型のオーソドックスな地名板

地名板(ちめいばん)とは、交差点名を標示する案内標識の俗称である。地点表示板(ちてんひょうじばん)、交差点名標識(こうさてんめいひょうしき)などと呼ばれることもある。

概要

正式な名称は「主要地点(114-2)」であり[1]、横型のものを114-2A、縦型のものを114-2Bとしている。主要な地点名称を表示するためにある標識であるため、信号機のない交差点やそもそも交差点ですらない場所に設置されることもある。このページでは、信号交差点に設置されている主要地点標識について記す。また、次節以降本項は「地名板」として記す。

道路標識の一部となっているため、地名板の設置・管理維持は道路管理者が行うことになっている。そのため、地名板が示す交差点名と各都道府県公安委員会が信号台帳に記録している交差点名称は必ずしも一致しない。ただし、公安委員会と道路管理者が協議の上表記する交差点名を決定するため、概ねは(細かな表記などを除いて)一致する。

滋賀県など、一部の都道府県は観光地や主要名称をわかりやすく知らせるために、独自に観光地名称を設定したりする場合もある[2]

現在はローマ字(英字)部分が併記されているものが主流だが、1980年代以前は日本語表記のみのものが多く、場所によってはその時代のものがいまだに残されている箇所もある。

主な仕様

国土交通省が管理する(もしくは、していた)道路に関しては、国土交通省が定める仕様に沿った地名板が設置されるが、それ以外の道に関しては各都道府県、強いては各市町村において独特なものが見られる。

一般的な(国土交通省が定めるものに準拠した)地名板は、以下の特徴を持つ。

  • 白地の板に、青(あるいは紺)の文字色・枠色とする。
  • 外枠を囲む。
  • 交差点名はローマ字(英字)も下に表記するものとし、そのサイズは日本語部分の3割程度(大文字は1/2, 小文字は大文字の3/4[3])とする。ただし、東京都や静岡県は50%とする仕様を掲げているため、英字が他のと比べて大きい[4]
幅固定型で10文字を表現すると、このように信号灯器を大きく上回る幅になる

寸法について、大きく二つのタイプに分かれる。文字数に応じて地名板そのものの幅を調節するタイプは幅合わせ型、文字数に応じて文字幅を調節するタイプは幅固定型と呼ばれることがある。幅合わせ型の場合、文字数の増大に合わせて板の長さがどんどん横長になるが、幅固定型の場合は文字が横方向に縮小され、潰れる傾向にある。

通常は114-2Aで定義された横書きの地名板が設置されるが、一部の都道府県では114-2Bで定義された縦書きの地名板を採用することがある。これを区別して縦地名板と呼ぶこともある。ただし、114-2Bに関してはローマ字部分に関する仕様が特段定められていない。縦地名板を採用している都道府県は、豪雪地帯の場合は114-2Bの仕様そのままに日本語のみの地名板が設置されることもある。それ以外の場合、ローマ字部分が114-2Aの寸法に準拠したうえで90度時計回りに回転し、日本語の左側に記される傾向にある。ただし、東京都は一部において、文字を回転せずアルファベットをそのまま縦書きにしたものも設置していた。

書体について

仕様書としては「丸ゴシック体」と定められていたが、現在設置されている地名板は日本語部分にナール、ローマ字部分にヘルベチカが採用される傾向にある。ただし、ヘルベチカはデフォルトで長体1号あるいは2号を使用する(横幅が70~80%程度となった字体)。

ローマ字(英字)部分について

基本的にローマ字はヘボン式(「ふ」→「Fu」など)で表記することが多い。

国土交通省、東京都などは「英語で表現できる部分は極力英語にする」との方針を打ち出しており、既存の地名板の更新も順次行っている。例えば、「中学校」はローマ字にすると「Chugakko」だが、これを「Junior High School」や「J.H.S.」などと表記するように修正したりする。一方で旧来のままの場合、全てローマ字で記されている地名板もまだかなりの数が存在する。また、ローマ字部分に振り仮名が代わりに振られていることもある。その場合、振り仮名は日本語の表記に従い上に配置されることもある。

独自の仕様で設置している例

有名な例をいくつか述べる。ごく一部の地域でしか採用されていないものは特殊なものを除き記載しない。

山梨県で見られる地名板。他県でも美装化された地域では見ることができる場所もある

山梨県

山梨県は、茶色の板に白文字・枠となっており、また四隅の角が丸く切り取られている。この形は他県ではデザインポールとともに美装化された地域などで見ることができるが、山梨県ではこれがデフォルトとなっている。ただし直轄区間や一部の地名板などは通常のものとして残っている箇所も存在する。概ね平成12(2000)年頃から採用している模様。

また富士山の近くでは板の形が富士山になっていることが特徴。

東京都、静岡県

東京都と静岡県は前述のとおり、ローマ字が従来のものより大きい地名板が設置されている。東京都では三分の二[4]、静岡県と静岡市では100分の65[5][6]となっている[注釈 1]。概ね平成20年代後半からの採用となっており、年々増加傾向にある。ローマ字部分が大きくなったものの板の長さは変わらないため、一部の地名板はローマ字が潰れ見にくくなっている場所も存在する。

群馬県、栃木県、埼玉県など

所謂北関東方面に位置する県や、その他一部の市町村では、外枠に自治体名を併記しているものを見かける。

長野県

長野県は、表面左側に自治体名を縦書きで記し、右側に日本語とローマ字を記し、裏面にローマ字部分のみを日本語と同一の文字サイズで設置している[7]。裏面がない場合もある。

広島県

広島県は一部の交差点(国土交通省が管理する道路など)を除き、道路管理者ではなく広島県公安委員会が直接信号灯器の下部に地名板を設置している。そのため、広島県の地名板が示す交差点名は公安委員会の信号台帳に記録された名称と一致する。ローマ字の記載がなく、白地に黒文字で細長い形になっていることが特徴。

東京都町田市、大田区など

東京都の一部の市区では、書体を変更し、日本語部分・ローマ字部分ともにヒラギノの書体(高速道路の現行のフォント)やゴナを採用している箇所が見受けられる。

関西地方(近畿地方)

近畿地方付近(大阪府、滋賀県、京都府、奈良県、福井県、和歌山県、兵庫県など)では、通常と比較して1.5倍近くの縦幅を持ち、文字サイズも同じくらいに拡大された大きな地名板が存在する。

地名板の設置場所

地名板の設置場所は特に定められていないが、通常はアーム信号柱に設置されることが多い。角型灯器世代などは、灯器に直接地名板を設置する例もある。

アーム

最も多い設置方法。信号灯器と信号柱の間のアームに設置する方法。アームに十分な長さがない場合、縦地名板を採用する場所もある。

東京都や愛知県などでは、信号灯器とは別にもう1本地名板専用のアームを用意する場合もある。

信号柱

次に多い設置方法。近畿地方の大きな地名板はアームにつけると不安定になることから信号柱に設置されていることが多い。アームと信号柱の接続部分や、それより下に配置されることが多いが上に配置される例もある。

灯器上部・下部

信号灯器との接続部分に近い部分のアームから取付金具を上(あるいは下)に伸ばし、そこに地名板を設置する方法をとる箇所がある。神奈川県、東京都では灯器上部に設置するタイプが比較的多く見受けられる。長野県や群馬県、広島県などでは灯器下部に設置するタイプが比較的多く見受けられる。

灯器直付け

主に東京都などで角型灯器に採用され、灯器の底面に直接ネジ止めして地名板を設置するタイプが存在した。現在は角形灯器そのものが沙汰されたため、灯器直付けのものは(一部薄型LED灯器で継承されたものを除き)見られなくなったが、その世代の地名板をアームに設置し直して使用を続行している交差点もまだ存在する。この時期のものは古いためローマ字部分が記載されていないものが多い。


他にも灯器背面などが存在するがマイナーであるため個別項目にはしていない。

関連項目

  • 太一本アーム … 東京都や愛知県などでは、地名板がこのアームで別に設置されることがある。

参考文献

  1. 国土交通省.主な道路案内標識.(2025/1/26参照)
  2. 滋賀県.交差点の標識に観光地等の名称を表示します ~観光地へのアクセスがわかりやすい交差点名称へ~.2024/3/8
  3. 国土交通省近畿地方整備局. "16.道路標識", 土木工事標準設計図集PDF版, n.d., (参照 2025-01-25).
  4. 4.0 4.1 東京都.都道における道路標識の寸法に関する条例.H24/12/13 によると、ローマ字部分の大きさは日本語表記の1/2、あるいは2/3にする旨の記載がある。
  5. 静岡県規則第33号 静岡県が管理する県道に設ける道路標識の寸法を定める規則 (平成24年4月1日施行)
  6. 静岡市条例第89号 静岡市道路標識の寸法を定める条例 (平成24年12月14日施行)
  7. 長野県. "長野県案内サイン整備指針 3 車両案内編", 長野県, n.d., (参照 2025-01-26).

注釈

  1. 文字通り解釈すると、東京都と静岡県とでは約1.7%のサイズ差があるが、実際に異なるかは不明