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歩行者専用現示方式

提供:信号機Wiki

歩行者専用現示方式(ほこうしゃせんようげんじほうしき)とは、信号制御である歩車分離式制御の一種。

概要

通常、信号制御は同方向の車灯・歩灯がともに青になる方式を取る。しかし、歩行者の横断が非常に多い場所や、あらゆる方向に横断の需要がある繁華街などでは車灯と歩灯の青をそれぞれ別にすることがある。

一般的に、主道側の車灯→従道側の車灯→全歩灯の順番でサイクルが回る。通常は2つの現示(主道車灯・歩灯、従道車灯・歩灯)で済むところを「全歩灯」という3つ目の現示を提示している形となる。

なお、大原則として横断者は横断歩道を横断する必要がある。すなわち、歩行者専用現示方式では斜め横断を行うことは禁止されている。都道府県によってはこの旨を看板を設置することで周知している場所も存在する。斜め横断が可能な場合はスクランブル方式として区別される[1]

小規模な駅前や学校付近など、歩行者専用現示方式にすべき時間帯が限られている場合は、一部または全部の時間帯において歩車分離押ボタン制御とする場合がある。この場合、歩行者が押ボタンを押さない限り歩灯の青現示はスキップされる。山梨県や長野県などは、このような歩車分離押ボタン制御を明示的に表示板に表示している。

一部歩車分離式

東京都では「一部歩車分離式」という表示板が設置されている。同様の制御は他道府県にも存在しうるが、2025年1月15日現在表示板が設置されているのは東京都のみである。

一部歩車分離式は、通常の歩行者専用現示方式とおおむねは同一。ただし、全歩灯が青になった後、側道側の歩灯のみ赤に切り替わり、主道側の車灯が青の時、主道側の歩灯も青になっている。すなわち、主道側の歩灯は2回青現示を行うものとなる。主道側の横断需要が特に高い場合などに採用され、主に主要地方道や国道と一般道の交差点が選ばれる傾向にある。

神奈川県の場合、これに相当する現示を行う交差点は複数存在するが、歩車分離式である要件を満たしていないからか表示板の設置がされていない。

表示板

歩行者専用現示方式の場合、通常は「歩車分離式」「歩車分離信号」といった表示板が設置される。これに関しては参考程度に付表が記されているだけであり、細かな仕様は案内標識に準拠するとされている[1]。前述の通り、押ボタンによる制御を行っている場合は「歩車分離(押ボタン)」などのように明示的に記されていることもあれば、さらに時間帯まで詳細に記されていることもある。

メリット・デメリット

この現示は以下のメリットとデメリットが存在する。なお、このメリット・デメリットは個人による偏見が大いに含まれており、公式の見解ではないため注意。

メリット

  • 車両と歩行者の流動が明示的に区別されるため、車両・歩行者の巻き込み事故が減少する。
  • 歩行者の横断の自由度が広がる。例えば南東から北西に横断したい場合、(青現示の時間が許せば)1回の青現示で移動ができる。通常制御の場合は最低2回待機する必要がある。

デメリット

  • 現示が1つ増えることにより、各現示の時間数が減少する、あるいは全体のサイクル時間が増加する。これにより、待機時間が通常制御時と比較して増加する。
  • たいていの場合斜め横断が横行する(これに関してはスクランブル式に変更することで解決する)。

参考文献

  1. 1.0 1.1 警察庁,丁規発第49号,歩車分離式信号に関する指針の制定について(通達),R6.03.26