集中制御
集中制御(しゅうちゅうせいぎょ)とは、交通管制センターと接続し複数の信号交差点を連動する制御方式である。
概要[編集 | ソースを編集]
交通量の多い主要道路等で周りの交差点と連動しない定周期制御やプログラム多段制御を行うと、各交差点で車両が停止し渋滞が発生する場合が多い。また、連動制御を行う場合でも単純なプログラム多段制御ではリアルタイムな交通量に連動せず、やはり渋滞の発生が考えられる。そのような道路では、複数の交差点の制御機や車両感知器を交通管制センターに回線を用いて接続し、リアルタイムな交通量に応じて自動的に階梯を変更する。また、交通管制センターからの遠隔操作を行うこともできる。
仕組み[編集 | ソースを編集]
集中制御では以下の機器・設備が必要である。
交通管制センター[編集 | ソースを編集]
各都道府県形警察本部等に設置される。集中制御を行う交差点や感知器情報、事故記録カメラ等の情報が集約され、必要に応じて遠隔操作も実施される。
交通信号制御機(集中制御用)[編集 | ソースを編集]
集中制御を行う交差点の制御機は基本的に集中制御に対応した制御機を設置する必要がある。ただし、回線集約化のため付近の交差点を子交差点として使用する場合、その制御機は集中制御に対応していないものを使用することもできる。
車両感知器[編集 | ソースを編集]
集中制御ではリアルタイムの交通量を正確に把握する必要があり、そのためには車両感知器の設置が必要不可欠である。交通量計測用の車両感知器を各方面に設置し、制御の最適化をはかる。
回線[編集 | ソースを編集]
集中制御では交通管制センターと交通信号制御機や車両感知器を接続する回線が必要である。一般に使用される回線を下に示す。
- アナログ電話回線(NTT専用回線)
交通管制システム用の専用回線を用いて接続する方法。専用回線であるため使用料が高く、また伝送距離に応じて課金されるシステムであるため長距離通信では非常に高コストになる。そのため、各警察署等にサブセンターを用意して中継することで距離を抑える場合がある。また、アナログ電話回線はサービス終了が予定されているため、多方式の回線に移行する必要があるが、十分に移行が進んでいない地域も多い。伝送方式にM形伝送方式、U形伝送方式、UD形伝送方式がある。
- 光回線
光ファイバー網を用いて接続する方法。アナログ電話回線サービス終了に伴う移行回線の一つ。通信量・速度が向上したことから将来の自動運転に用いる回線としての使用も検討されている。交通信号制御機に光回線終端装置を設置する必要がある。伝送方式にUD形伝送方式がある。
- 携帯回線(MVNO)
携帯電話の通信回線を用いて接続する方法。アナログ電話回線サービス終了に伴う移行回線の一つ。2社の回線を使用することで、通信障害時も交通管制システムを使用し続けることができる。交通信号制御機に集約回線無線通信装置を設置する必要があり、機器・MVNOサービスの提供は日本信号のみが行っている。。伝送方式にUD形伝送方式がある。