電源箱
電源箱とは、引き込み線と制御機の間等に設ける開閉器を含む箱である。
概要

信号機は商用電源(電力会社から供給される交流電源)で駆動するため、一般には電柱から電源を引き込む必要がある。その引き込み線と制御機までの間に設ける箱を電源箱という。最も単純なものは内部に開閉器(スイッチ)のみを設けたものであるが、地域によって付加機能を備えたものも存在する。これを設けることで制御機更新時などに簡単に停電させることができる。
なお制御機本体にもブレーカーが存在するため、必ずしも必須の設備ではない。大阪府などでは原則これを設置していない。また、補助ボックスと用途が被るため、これらを用いる都道府県では設置しない場合が多い。
種類
単純な設備であるが、各都道府県警察の仕様により様々な種類がみられる。
筐体
各社多くが端子箱とほぼ同様の筐体であるが、接続ケーブル等を格納できる大型筐体も存在する。
錠前
特に災害対応電源箱の場合、容易に開閉できるよう低い位置に設ける必要があるため、制御機と同様の錠前が取り付けられる場合がある。
塗装
メーカーにより塗装や溶融亜鉛メッキ等が行われる。指定色塗装品も多数存在する。
電力量計
特に電球式灯器の交差点において、電力量計を格納し窓から視認できる構造の電源箱が用いられる場合がある。近年はLED化に伴う電力量計の撤去により減少傾向である。
災害対応
開閉器のほかに切り替えSW・コネクタ等を設けたもの。停電時などに電源箱内のSWを切り替え、コネクタを発動発電機・ポータブル電源・電気自動車等に接続することができる。災害時の停電に伴う滅灯対策として一部の都道府県では積極的に整備している。自動起動型発動発電機・リチウム電池式付加装置と比較すると、発電機等の接続の手間があり即時稼動は不可能だが、圧倒的に低コストである。
目印として「災」などのシールが貼り付けられる場合が多い。
パイロットランプ
特に災害対応電源箱において、通電の有無を示すパイロットランプが取り付けられる場合がある。筐体内に格納されている場合と、表から見える位置に設置されている場合がある。
設置位置
多くの都道府県では制御機上部に設置される。災害対応電源箱の場合は人間の手の届く設置位置になる場合が多い。福井県などでは電源箱を引き込み直後の柱上部に設置する。