「鋼管柱」の版間の差分
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埋設したヒューム管(コンクリート製の土管)に差し込んで隙間を土砂・コンクリート等で埋めて建柱する。 | |||
===== クランク式鋼管柱 ===== | |||
直管式鋼管柱のうち、地中埋設物・地盤等の影響で建柱位置の真下への埋設ができないときに用いられる。例えば渋谷スクランブル交差点の信号柱更新工事では、地中埋設物が建柱位置に多かったため、クランク式鋼管柱が採用された。埋設物が回避できるよう地中部が折れ曲がっている。 | |||
==== ベース式鋼管柱 ==== | |||
埋設した基礎にアンカーボルトを用いて建柱する。高架・橋梁等の埋設ができない場所や、地中線式で用いられる。[[複合柱]]ではベース式鋼管柱である場合が多い。 | |||
=== 長さ・太さ === | |||
コンクリート柱同等の長さのものから、歩灯専用の細く短い柱まで様々な種類がある。用途や発注者によって様々な規格が用いられる。また、長い鋼管柱の建柱が困難な場所では上下を分割できる分割式鋼管柱が用いられる。 | |||
=== 固定方法 === | |||
コンクリート柱と同様の埋設式と、アンカーボルトを用いるベース式が存在する。また、地中埋設物を避けて建柱するために埋設部が曲がったクランク式鋼管柱も存在する。 | |||
=== 表面処理 === | |||
現行品はほとんどの場合耐久性に優れた溶融亜鉛メッキ仕上げである。美装化が必要な場合はさらに塗装も施される。 | |||
かつてはビニールで覆ったVC柱([[若草ポール]])なども存在したが、ビニールと柱の隙間に雨水が侵入すると劣化が進行しやすいため、ほとんどのものが撤去された。また、貼紙防止のため金属表面に凹凸加工を施したり、凹凸加工のビニールシートを貼り付ける地域もある。 | |||
=== 内線式 === | |||
鋼管柱は内部が空洞であるため、ケーブルを通すことができるものが多い。これを内線式鋼管柱という。内線式鋼管柱では電線を通すための穴が開けられており、ここにターミナルキャップ(金属製)やゴムエントランスを取り付けて通線する。また、内線式では機器類への接続のためのフレキを接続する穴や架台が備えられるものも多い。 | |||
=== 点検口 === | |||
大阪府などの一部の地域では悪戯防止のため点検口に鍵を設置している。 | |||
=== 端子台 === | |||
東京都などでは端子台内蔵の鋼管柱を採用している。これは電線の取り込み口が大きく開けられ、柱内部の端子台で結線できる鋼管柱であり、別途[[端子箱]]を設ける必要がない。 | |||
=== フランジ === | |||
特殊な用途で用いられる鋼管柱や複合柱などでは、あらかじめフランジが溶接されたものがある。フランジを用いることでボルトを用いて強固にアームを固定できるが、設置後の移動は困難である。 | |||
== 耐用年数 == | == 耐用年数 == | ||
耐用年数(減価償却)は50年であり、コンクリート柱より8年長い。ただし、寿命は設置環境などに大きく左右される。 | |||
最低耐用年数は10年程度とされており、設置後21年で40%以上の倒壊リスクがあるとのデータも存在する<ref>建設通信新聞. [https://www.kensetsunews.com/web-kan/542413 【安全安価&短時間施工】鋼管柱を中から補修 トッププランニングJAPAN「FRPシップ工法」]. 2021-02-27</ref>。 | |||
鉄製であるため、犬の尿などにより腐食が進行する場合がある。 | |||
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2025年11月26日 (水) 15:22時点における最新版
信号柱のうち材質が金属(鉄)製のもの。
概要[編集]
一般に鋼管柱、または英語(Steal Pole)のイニシャルからSPと呼ばれる。
交通信号機用としてかなり昔から使用されている。また、信号用に限らず電信柱や架線柱などにも広く使用されている。
街路灯などを共架できる鋼管柱は複合柱と呼ばれる。
構造[編集]
内部は空洞で筒状の金属管である。根元から先端まで同じ太さの形状が多い。
種類[編集]
コンクリート柱と異なり、長さ・太さ・通線方法・表面加工・固定方法など多様な種類のものが設置される。
建柱方式[編集]
直管式(埋込式)鋼管柱[編集]
埋設したヒューム管(コンクリート製の土管)に差し込んで隙間を土砂・コンクリート等で埋めて建柱する。
クランク式鋼管柱[編集]
直管式鋼管柱のうち、地中埋設物・地盤等の影響で建柱位置の真下への埋設ができないときに用いられる。例えば渋谷スクランブル交差点の信号柱更新工事では、地中埋設物が建柱位置に多かったため、クランク式鋼管柱が採用された。埋設物が回避できるよう地中部が折れ曲がっている。
ベース式鋼管柱[編集]
埋設した基礎にアンカーボルトを用いて建柱する。高架・橋梁等の埋設ができない場所や、地中線式で用いられる。複合柱ではベース式鋼管柱である場合が多い。
長さ・太さ[編集]
コンクリート柱同等の長さのものから、歩灯専用の細く短い柱まで様々な種類がある。用途や発注者によって様々な規格が用いられる。また、長い鋼管柱の建柱が困難な場所では上下を分割できる分割式鋼管柱が用いられる。
固定方法[編集]
コンクリート柱と同様の埋設式と、アンカーボルトを用いるベース式が存在する。また、地中埋設物を避けて建柱するために埋設部が曲がったクランク式鋼管柱も存在する。
表面処理[編集]
現行品はほとんどの場合耐久性に優れた溶融亜鉛メッキ仕上げである。美装化が必要な場合はさらに塗装も施される。
かつてはビニールで覆ったVC柱(若草ポール)なども存在したが、ビニールと柱の隙間に雨水が侵入すると劣化が進行しやすいため、ほとんどのものが撤去された。また、貼紙防止のため金属表面に凹凸加工を施したり、凹凸加工のビニールシートを貼り付ける地域もある。
内線式[編集]
鋼管柱は内部が空洞であるため、ケーブルを通すことができるものが多い。これを内線式鋼管柱という。内線式鋼管柱では電線を通すための穴が開けられており、ここにターミナルキャップ(金属製)やゴムエントランスを取り付けて通線する。また、内線式では機器類への接続のためのフレキを接続する穴や架台が備えられるものも多い。
点検口[編集]
大阪府などの一部の地域では悪戯防止のため点検口に鍵を設置している。
端子台[編集]
東京都などでは端子台内蔵の鋼管柱を採用している。これは電線の取り込み口が大きく開けられ、柱内部の端子台で結線できる鋼管柱であり、別途端子箱を設ける必要がない。
フランジ[編集]
特殊な用途で用いられる鋼管柱や複合柱などでは、あらかじめフランジが溶接されたものがある。フランジを用いることでボルトを用いて強固にアームを固定できるが、設置後の移動は困難である。
耐用年数[編集]
耐用年数(減価償却)は50年であり、コンクリート柱より8年長い。ただし、寿命は設置環境などに大きく左右される。
最低耐用年数は10年程度とされており、設置後21年で40%以上の倒壊リスクがあるとのデータも存在する[1]。
鉄製であるため、犬の尿などにより腐食が進行する場合がある。
参考文献[編集]
- ↑ 建設通信新聞. 【安全安価&短時間施工】鋼管柱を中から補修 トッププランニングJAPAN「FRPシップ工法」. 2021-02-27