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別出し方式

提供:信号機Wiki

別出し方式(べつだしほうしき)とは、信号制御の一つ。

概要[編集]

通常の信号制御では、上下線(対面する交通)が同時に進行できる。一方で、別出し方式では階梯を上下線で完全に分離し、別のタイミングで青現示にする。よって時差式制御の一種と言える。また、このとき歩行者灯器は進行方向左側のみを青現示にする場合が多く、右折時の歩行者との接触防止効果もある。

対面方向の車両を停止させ、一方向づつ車両を進行させることで安全な右折が可能であるが、青信号の時間が短くなる。

採用されるケース[編集]

右折需要が多く、右折レーンが無い十字路交差点[編集]

右折需要が多い場合、矢印灯器を設置して矢印現示制御を行う場合が一般的である。しかし、用地の都合等で、右折レーンを導入できない場合に用いられる場合が多い。

丁字路であれば一般の時差式制御(後発式)が用いられる場合が多いが、十字路での時差式制御は危険であるため別出し方式の採用が推奨される。

変形交差点[編集]

道路が鋭角に交わるなどの変形交差点では、上下線の車両を同時に進行させると交差点内での接触事故が発生する可能性があるため、別出し方式が採用される場合がある。

交通量に大きな差がある場合[編集]

上下線の片方が、明らかに交通量が少ない場合、別出し方式にしても青時間がほとんど短くならず、効率が良い場合がある。

呼称[編集]

別出し方式は、各都道府県の呼称や標示板の文言に揺れが多い。ここでは代表的なものを示す。

  • 別出し方式(警察庁)[1]…通達等で示す正式名称。
  • 時差式…一種であるが、一般的な時差式のイメージと乖離しやすい
  • 三現示式(福島県)…標示板で採用。専門用語を含むため分かりづらい。
  • 分離式(岐阜県)[2]…標示板で採用。抽象的すぎて何を分離してるか分かりづらい。
  • 右折車両分離式(岐阜県)[3]…文書等で採用。右折車両も分離されるため間違いではない。すなわち、広義の歩車分離制御という解釈もできる。
  • 対向車分離式(愛知県等)…分かりやすいが、本来はムーブメント式を意味するため誤用。
  • 上下線分離式(神奈川県)…文書等で採用。
  • 交互通行式(山口県)…標示板で採用。

メリット[編集]

安全性が高い[編集]

対向車が交差点内に進入しないため、安全に右折を行うことができる。また、右折先の歩行者用灯器は赤信号である場合が多く、歩行者との接触も防ぐことができる。

右折レーンがない十字路においては、最も安全な制御といえる。

低コスト[編集]

右折レーンの設置などのコストを掛けずに、右直事故等の防止ができる。

デメリット[編集]

青時間が短くなる[編集]

現示数が増えるため、1サイクル辺りに進行できる車両台数が少なくなりやすい。

歩行者用灯器が必要[編集]

別出し方式の長所を生かすため、歩行者用灯器を設置する必要がある。

参考文献[編集]

  1. 警察庁,時差式信号現示による制御に関する運用指針の制定について(通達) ,https://www.npa.go.jp/pdc/notification/koutuu/kisei/kisei20080303-2.pdf,2026-0427参照
  2. 岐阜県警察,信号機の現示例,https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/410635.pdf,2026-0427参照
  3. 岐阜県警察,歩車分離制御の導入箇所一覧,https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/452740.pdf,2026-0427参照