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銘板

提供:信号機Wiki
警交仕規第1012号に準拠した交通信号制御機の銘板

銘板(めいばん)とは、各機器に対して付与される、その機器の情報を記した板。プレートとも呼ばれる。

概要[編集 | ソースを編集]

警交仕規に準拠した交通機器は、その機器に銘板を設置しなくてはならない。また、(警視庁と一部の機器を除き)銘板は一般に視認できる位置に設置しなくてはならない。

銘板のサイズはJIS工業規格で定められている寸法に概ね準拠したものが使用されている。各仕様書により、記載しなくてはならない情報は異なるものの、記載する位置などは厳密には定められていない。

銘板の基本フォーマット[編集 | ソースを編集]

概ね警交仕規に準拠した(あるいはそれに近い)場合、まず銘板上部に機器名称が記載される。この機器名称は警交仕規で定められている名称と原則一致する(ただし、括弧でさらに細かく分類した系統が書かれている場合がある。例:「交通信号灯器(車両用)」「交通信号制御機(集中制御用)」)。

2段目に、準拠している警交仕規の情報が記載される。ただし、記載がない場合もある(例:警交仕規第8号 歩行者用交通信号灯器)。記載されている場合、概ね「仕様書番号 警交仕規第NNNN号(「版X」)と記載される(ただし、版の表記は3桁の仕様書以降で確認できる)。

3段目以降はメーカー・世代ごとにばらばらなことが多いが、概ね3段目に形式製造番号、4段目に定格電圧と周波数、最終段に製造年月が記載されることが多い。

銘板下部は、製造メーカー名を記載する。ODMの場合でも、供給先のメーカー名を記載する。

銘板の字形[編集 | ソースを編集]

銘板に印字または打刻されている字形は基本的に各メーカー・世代ごとに異なる。そのすべてを文字で表現するのは難しいが、いくつか特徴的なものを分類する。ただし、ODMはここに含めない(供給元の刻印に合わせられる傾向にある)。

コイト電工[編集 | ソースを編集]

コイト電工(小糸工業・小糸製作所を含む)は全国的に同一の字形を使用しているため、世代により分かれる。

交通信号灯器銘板世代[編集 | ソースを編集]

打刻の字形に特徴があり、数字の「1」と「7」が混同しやすい。この時期の「1」は上にハネがついたセリフなしの字形であり、これが微妙に右に傾いていることが多かったため、「7」と間違えることが多々ある。この時期の「7」には概ねセリフがついているほか、ハネの角度がやや異なる。

銘板の印字そのものについてはデジタルフォント系の登場時期ではないため、おそらく独自に作られたものと思われる。

歩行者用・車両用交通信号灯器銘板世代[編集 | ソースを編集]

昭和51(1976)年頃までは上記と変わらない打刻であったが、昭和52(1977)年頃より2桁の場合に半角の幅になったものが登場する。一方で群馬県など過渡期を採用しなかったところでは全角のものが用いられることも多いので、過渡期に該当するものは半角だった可能性がある。なお、1桁の場合は通常通り全角幅での打刻となる。

印字については写研の石井ゴシックに近いものとなっている。

金属製歩行者用交通信号灯器銘板世代[編集 | ソースを編集]

この時期はどちらかというとおにぎり歩灯の世代で影響を受けており、昭和53(1978)年8月~11月頃に関しては「3」が「ろ」の形になった全角刻印が用いられる傾向にある。12月以降は半角刻印に戻るが、昭和55(1980)年付近で後述する樹脂の刻印に近いものとなる。以降はU形最初期までは打刻の字形はおおむね統一される。印字は引き続き石井ゴシックのようなものである。

金属製車両用交通信号灯器銘板世代・警交2桁世代の制御機[編集 | ソースを編集]

おにぎり歩灯のような迷走はあまり見られず、平成6(1994)年頃までは全角刻印となる。また、2桁の和暦(昭和54~64)に関しては結構な確率で2つの数字がかなりアンバランスな打刻となっている。

平成7(1995)年あたりから、「1」のセリフが取れた新しい刻印が使用されるようになる。これ以外の違いは微々たるものだが、銘板への打刻がかなりきれいになり、くっきりと打刻が見えるようになる(以前の打刻は周囲に傷があったり深すぎたり浅すぎたりして読みにくいものもあった)。

アルミ灯器(製造番号がFから始まるもの)に関しては打刻の字形が完全に変更され、後述するJIS型の打刻になっているが、鉄板灯器(製造番号がAから始まるもの)に関しては末期まで同一の打刻が使用されていた。

U形歩行者用・車両用交通信号灯器世代・警交3桁以上の制御機等[編集 | ソースを編集]

銘板の印字は丸ゴシックになり(数字は角ゴシック)、デジタルフォントを使用しているように見える(リコーのフォントに近似している)。

打刻は所謂JIS型となり、丸細ゴシックに近いものになった。半角刻印と全角刻印の中間のような字幅で、デジタルフォントの半角と同等の幅となっている。

以降、1014号の銘板に変更されても原則同等の字形となっている。

樹脂灯器[編集 | ソースを編集]

自社製・他社製問わずかなり小さい刻印が用いられている。この刻印は前述したとおり昭和55(1980)年代の金属製灯器にも使用されている。

日本信号[編集 | ソースを編集]

~車両用交通信号灯器[編集 | ソースを編集]

金属製車両用・歩行者用交通信号灯器世代[編集 | ソースを編集]

やや横長な独特の打刻がされている。「7」にセリフがないのが特徴。

U形車両用・歩行者用交通信号灯器世代[編集 | ソースを編集]

デジタルフォントで使われる半角幅に近いものとなり、「3」が「ろ」の形になったものが用いられるようになった。また、このころから印字の字形が非常に独特なゴシック体となる(やや字形が全体的に小さい石井ゴシックのようなもの)。

交通信号灯器世代[編集 | ソースを編集]

しばらくの間は印字は変化がなかったが、令和元(2019)年頃から丸ゴシックに徐々にシフトしている。

平成22(2010)年頃から会社名のフォントにも変化がみられ、より角ばった現行のものに変更されている。

京三製作所[編集 | ソースを編集]

京三製作所は関東型(製造番号がTから始まるもの)と関西型(製造番号がX・Zから始まるもの)で若干印字の字形が異なるほか、打刻も一部異なる。また、世代というよりは灯器の種類で概ね分かれるため、こちらは灯器の分類とする。

角形灯器~宇宙人[編集 | ソースを編集]

小糸に近い印字となっており、打刻も小糸に近いものになっている(ただし京三の方が若干すっきりしている)。「3」が「ろ」になっているタイプ。

金属製~銘板になってもこの打刻は引き継がれている。

鉄板灯器(クチバシを含む)~薄型LED灯器(VSS)、ほとんどの制御機[編集 | ソースを編集]

JIS字形に近い打刻となり、これが終始ほぼ一貫して採用されていた。ただし、関西型の場合はやや太く、Xから始まる制御機は従来の打刻をし続けていた。

印字については、U形になり製造工場が関東に統合されてから(U形以降)丸ゴシックに移行し、コイトより細めのほぼ同一の字体となっているが、全体的に長体になっている。

弁当箱[編集 | ソースを編集]

角型灯器の打刻を細長くしたようなものになっており、昭和57(1983)年頃からはさらに小さくなっている。セリフが至る所に入っているのが特徴。ただし、関西型の場合は昭和54(1979)年時点で既に次の六角世代と同一の刻印になっており、細長い打刻は関東型特有の可能性がある。

鉄板世代同様警交付きの銘板は関東型と関西型で若干違いがみられる。

六角[編集 | ソースを編集]

U形含め六角歩灯は基本的にJIS字形に近い打刻となっている。印字に関しては金属製~もU形も変わらない。

PLA・PAC~[編集 | ソースを編集]

金属製銘板の関西型は従来通りの印字だが、製造工場統一後は丸ゴシックに移行している。

制御機[編集 | ソースを編集]

制御機の打刻は少し特殊になっており、とりわけU形末期からは2種類の打刻が混同している。JIS刻印に近いものもあれば、セリフがついたやや信号電材に近いものも存在する。

信号電材[編集 | ソースを編集]

パナソニック(松下)[編集 | ソースを編集]

星和電機[編集 | ソースを編集]

その他[編集 | ソースを編集]