交通信号制御機
交通信号制御機(こうつうしんごうせいぎょき)とは、文字の通り交通信号を制御するための装置である。信号灯器の他、押ボタン箱や音響装置等、必要に応じて付随する装置を取り付ける。
概要 編集
各都道府県警察本部の交通管制センターからの指示を受けて遠隔で動作する集中制御機、路線で動作する系統制御機、単独で動作する単独制御機などがある。
現在はMPU搭載のものが主流で、特殊事例を除き旧UC形相当筐体が設置される場合が多い。信号灯器に比べて、制御機の誤動作は事故に直結してしまうので、基本的には15〜20年の周期で交換される。
歴史 編集
かつてはリレー式やモーターカム式であった。昭和50年代より制御部に半導体(サイリスタ)を使用した制御機が登場し、従来のリレー等使用による保守交換が不要となった。
種類 編集
集中制御機 編集
基本的には管制センターの指令を受けて動作する(遠隔動作)。面で制御するため、主要となる道路や駅前の信号交差点の多い場所で使われることが多い。
系統制御機 編集
隣接する信号機群を共通のサイクル長で相互に連動させ、青信号の開始時刻(オフセット)を調整して制御する方式。最近はGPSで時刻を合わせるものが登場し、より正確な連動ができるようになった。
単独(地点)制御機 編集
単一交差点のみで制御する方式。あらかじめ数通りのプログラムを設定し、時刻によって設定されたプログラムを実行するもの。
連動制御機 編集
付近の交差点と協調して制御する方式。隣接する信号交差点同士を連動させて円滑にするものもある。基本的に各色のタイミングは連動している者同士は同じである。
連動方式は主交差点の黄色信号を持ってくるY連動と直流信号を受信するAB連動がある。
設置位置 編集
交通信号制御機は可能な限り以下の条件に適合した位置に設置する必要がある。
交差点全体を見渡せること 編集
警察官の手動操作時等に、交差点および各流入路が見渡せる位置へ設置することが望ましい。障害物等により見通しが妨げられる場合でも、少なくとも交差点内が見通せる位置に設置する。
歩行者の通行・横断に支障とならないこと 編集
狭い交差点では十分留意する必要がある。特に大型のU形筐体では邪魔になりやすい。
車両の右左折時に接触しないこと 編集
できるかぎり事故で制御機に接触しない位置に設置すべきである。
通行の支障とならず、点検修理が容易に行えること 編集
扉を開けて作業するスペースを十分に確保すべきである。
既設物の目的や機能に支障をきたすことがないこと 編集
既存の灯器、標識、制御機等に支障しない位置に取り付ける必要がある。[1]
参考文献 編集
- ↑ 社団法人 交通工学研究会(2009),改訂 交通信号の手引,第2刷