「低コスト灯器」の版間の差分
警交仕規第1014号 (トーク | 投稿記録) |
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'''低コスト灯器'''(ていこすととうき)とは、平成29(2017)年6月より設置が開始された250mmレンズの次世代LED式[[信号灯器|灯器]]である。'''低コスト信号機'''、'''低コスト'''とも呼ばれる。 | '''低コスト灯器'''(ていこすととうき)とは、平成29(2017)年6月より設置が開始された250mmレンズの次世代LED式[[信号灯器|灯器]]である。'''低コスト信号機'''、'''低コスト'''とも呼ばれる。 | ||
{{Infobox signal|灯器の名称=低コスト灯器|画像=[[ファイル:低コスト灯器.JPG|300px]]|画像の説明= | {{Infobox signal|灯器の名称=低コスト灯器|画像=[[ファイル:低コスト灯器.JPG|300px]]|画像の説明=信号電材製の低コスト灯器([[ODM]]提供により京三製作所銘板となっている)|製造期間=2017年〜|採用地域=全国(東京都では2025年から<ref>[https://urban-development.jp/blog/other/flatsignal/ 東京都内で実用初!薄くて平たいフラット型信号機が登場]</ref>)|残存数=多数|メーカー=日本信号、コイト電工、信号電材、三協高分子|仕様書=警交仕規|仕様書番号=[[警交仕規第1014号|第1014号]]|ユニット=コイト7周ユニット、電材7周ユニット、日亜面拡散、三協7周ユニット|アーム=ストレートアーム}} | ||
== 概要 == | == 概要 == | ||
平成26(2014)年度に「より長持ちで」「より安価な」交通安全施設の開発の委託研究が警察庁より出されたことが発端<ref name=":0">[https://shingo-d.jugem.jp/?eid=431 新型灯器の開発。。| 会長日記, 2017/06/27, L2]</ref>。[[信号電材]]、[[日本信号]]などが研究開発を進め、平成29(2017)年度より仕様策定、製造・設置が開始された信号灯器である。 | 平成26(2014)年度に「より長持ちで」「より安価な」交通安全施設の開発の委託研究が警察庁より出されたことが発端<ref name=":0">[https://shingo-d.jugem.jp/?eid=431 新型灯器の開発。。| 会長日記, 2017/06/27, L2]</ref>。[[信号電材]]、[[日本信号]]などが研究開発を進め、平成29(2017)年度より仕様策定、製造・設置が開始された信号灯器である。 | ||
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* [[コイト電工]] | * [[コイト電工]] | ||
* 信号電材([[京三製作所]]、[[オムロン]]、[[星和電機]]に筐体を提供している) | * 信号電材([[京三製作所]]、[[オムロン]]、[[星和電機]]に筐体を提供している) | ||
* 日本信号([[関西シグナルサービス]]、[[ | * 日本信号([[関西シグナルサービス]]、[[名古屋電機工業]]に筐体を提供している) | ||
* [[三協高分子]] | * [[三協高分子]] | ||
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第一世代のLED素子数は全色とも7周128粒(3色で384粒)。 | 第一世代のLED素子数は全色とも7周128粒(3色で384粒)。 | ||
令和7(2025)年度頃より、TC2型灯器のように赤ユニットのLEDが極端に少なく、筐体の蝶番が3個から2個に減ったマイナーチェンジモデルが登場した(ここでは第二世代と扱う)。第二世代のLED素子数は赤ユニットのみ6周91粒(3色で347粒)。 | 令和7(2025)年度頃より、TC2型灯器のように赤ユニットのLEDが極端に少なく、筐体の蝶番が3個から2個に減ったマイナーチェンジモデルが登場した(ここでは第二世代と扱う)。第二世代のLED素子数は赤ユニットのみ6周91粒(3色で347粒)。<ref>もしよろしければ出典お願いいたします。</ref> | ||
=== 信号電材 === | === 信号電材 === | ||
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平成27(2015)年度に埼玉県で試験設置が行われた。量産モデルと異なり、板金で作られたシンプルな形状であり、簡易的な形状の庇を備える。ユニットはφ250 素子露出型。警交仕規φ300幅(1250mm)に合わせるため、耳に大きなスペーサーがみられる。 | 平成27(2015)年度に埼玉県で試験設置が行われた。量産モデルと異なり、板金で作られたシンプルな形状であり、簡易的な形状の庇を備える。ユニットはφ250 素子露出型。警交仕規φ300幅(1250mm)に合わせるため、耳に大きなスペーサーがみられる。 | ||
==== | ==== 第一世代(ED1191) ==== | ||
製造期間:2017年〜2025年 | |||
京三製作所の薄型LED灯器であるVSP型灯器を小型化した様な形となっている。ステンレスのプレス工法を採用している。庇を取り付けることができる縁があるため、庇を取り付けた灯器が多数存在する。また、雪国用のカプセルフードも取り付け可能である。カプセルフードを用いない場合、フード縁に雪が積もりやすいため雪に対して極めて弱い。 | 京三製作所の薄型LED灯器であるVSP型灯器を小型化した様な形となっている。ステンレスのプレス工法を採用している。庇を取り付けることができる縁があるため、庇を取り付けた灯器が多数存在する。また、雪国用のカプセルフードも取り付け可能である。カプセルフードを用いない場合、フード縁に雪が積もりやすいため雪に対して極めて弱い。 | ||
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LED素子数は青6周92粒、黄7周130粒、赤7周105粒(3色で327粒)。 | LED素子数は青6周92粒、黄7周130粒、赤7周105粒(3色で327粒)。 | ||
表蓋は他社製同様1050mm幅だが、裏蓋はそれより小さくなるため灯器幅は1014mmとなる。そのため、他社製より僅かに灯器幅が小さく、他社製用のアームの貫通穴を使用できない。また、他社製や同社製後代モデルとの両面設置も難しい。この欠点は次期モデル以降改善されている。 | |||
矢印灯器は純正品の場合も金具を用いて設置する。そのため内線式の矢印設置は不可。 | |||
一灯式はED1195〜。 | 一灯式はED1195〜。 | ||
==== | ==== 第二世代 フラット型前期(ED1197〜) ==== | ||
製造期間:2022年〜2025年 | |||
令和4(2022)年度に埼玉県で試験設置が行われた。従来型の表蓋から庇取り付け穴を取り除いたものとなっており、正面からの見た目がコイト製の低コスト灯器に似ている。裏蓋はED1191型と同形状である。埼玉県のほか岩手県、石川県などでも設置を確認しているが、従来型に比べると設置数は限られている。また、金具を用いて前傾させ、灯器幅を1050mmに拡張している。よってこのモデルから他社製と灯器幅が統一された。 | 令和4(2022)年度に埼玉県で試験設置が行われた。従来型の表蓋から庇取り付け穴を取り除いたものとなっており、正面からの見た目がコイト製の低コスト灯器に似ている。裏蓋はED1191型と同形状である。埼玉県のほか岩手県、石川県などでも設置を確認しているが、従来型に比べると設置数は限られている。また、金具を用いて前傾させ、灯器幅を1050mmに拡張している。よってこのモデルから他社製と灯器幅が統一された。 | ||
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==== 第三世代 フラット型後期 警交仕規モデル 庇取付不可(ED1202〜) ==== | ==== 第三世代 フラット型後期 警交仕規モデル 庇取付不可(ED1202〜) ==== | ||
製造期間:2025年〜 | |||
令和7(2025)年度に青森県で試験設置が行われた(現在は撤去済み)。筐体はフルモデルチェンジされた。同年度内に愛知県、大阪府、広島県などでも設置が確認された。庇の取り付けは不可。更なる薄型化が図られ、コイト低コストと同様のスペーサー金具を用いて設置される。一灯式はED1207〜。 | 令和7(2025)年度に青森県で試験設置が行われた(現在は撤去済み)。筐体はフルモデルチェンジされた。同年度内に愛知県、大阪府、広島県などでも設置が確認された。庇の取り付けは不可。更なる薄型化が図られ、コイト低コストと同様のスペーサー金具を用いて設置される。一灯式はED1207〜。 | ||
銘板はシール銘板(白銘板)となっている。灯器幅は1050mm。 | 銘板はシール銘板(白銘板)となっている。灯器幅は1050mm。 | ||
黄色ユニットの素子数が削減され、6周となった。 | |||
材質、工法、矢印灯器の取り付け方法等は従来モデルと同様。 | |||
==== 第三世代 フラット型後期 警交仕規モデル 庇取付可(ED1221〜) ==== | ==== 第三世代 フラット型後期 警交仕規モデル 庇取付可(ED1221〜) ==== | ||
製造期間:2025年〜 | |||
令和7(2025)年度に愛知県、大阪府で設置が確認された。庇を取り付け可能な構造であり、表蓋はED1197型、裏蓋はED1201型と近い形状である。また、ED1203と外観上の違いはほぼない。 | 令和7(2025)年度に愛知県、大阪府で設置が確認された。庇を取り付け可能な構造であり、表蓋はED1197型、裏蓋はED1201型と近い形状である。また、ED1203と外観上の違いはほぼない。 | ||
銘板はシール銘板(白銘板)となっている。灯器幅は1050mm。 | 銘板はシール銘板(白銘板)となっている。灯器幅は1050mm。 | ||
黄色ユニットの素子数が削減され、6周となった。 | |||
材質、工法、矢印灯器の取り付け方法等は従来モデルと同様。 | |||
==== 第三世代 フラット型後期 警管仕モデル(ED1203〜) ==== | ==== 第三世代 フラット型後期 警管仕モデル(ED1203〜) ==== | ||
製造期間:2025年〜 | |||
令和7(2025)年度に東京都で設置が確認された。庇を取り付け可能な構造であり、表蓋はED1197型、裏蓋はED1201型と近い形状である。また、ED1221と外観上の違いはほぼない(仕様書が異なるため、内部は異なると考えられる)。警管仕モデルではスペーサー金具での前傾を行わない。 | |||
銘板はシール銘板(白銘板)となっている。灯器幅は1050mm。 | 銘板はシール銘板(白銘板)となっている。灯器幅は1050mm。 | ||
黄色ユニットの素子数が削減され、6周となった。 | |||
材質、工法、矢印灯器の取り付け方法等は従来モデルと同様。 | |||
=== 三協高分子 === | === 三協高分子 === | ||
平成30(2018)年度に大阪府で設置が確認された。他社より1年ほど遅れて導入された。 | |||
他社と比較して完全な直方体になっている。おもに近畿地方より西側で設置されており、関東地方・東海地方・東北地方では一切見かけない。 | 他社と比較して完全な直方体になっている。おもに近畿地方より西側で設置されており、関東地方・東海地方・東北地方では一切見かけない。 | ||