超音波式車両感知器

超音波式車両感知器(ちょうおんぱしきしゃりょうかんちき)とは、超音波を用いた車両感知器の一種である。

概要 編集

日本で最も多く設置されている車両感知器である。1970年代から整備されており、他方式より安価で環境変化に強い。汎用性が高く、リコール制御・右折車感応・交通量計測・速度計測・バス感応などありとあらゆる用途で用いられる。計測の仕組みにより、距離計測式とドップラー式に大別される。

警交仕規 編集

警交仕規第1017号は他方式の車両感知器も含まれる。

構造 編集

・距離計測式 編集

路上に設置した超音波送受器から超音波を発射し、反射波が跳ね返るまでの時間で車両の有無を検出する。超音波送受器は路面から5.0~6.0mの高さに設置する。感知領域は直径約0.75mまたは1.2mであり、この範囲内を120km/h以下で走行する軽自動車以上の車両を検出できる[1]

・ドップラー式 編集

ドップラー効果を用いて車両の存在と走行方法を検出する。感知器ヘッドから一定の周波数の超音波を放出し、反射波を検出する。ドップラー効果より車両が接近する場合は反射波の周波数が高く、離れる場合は低くなる。よって車両の走行方向の検出が可能である[1]

この特性を生かし細街路でのリコール制御に使用される場合が多い。

用途 編集

超音波式車両感知器は汎用性が高く、あらゆる用途で使用される。

リコール制御 編集

交通量が少ない従道路に設置し、車両感知時のみ従道路を青信号にする制御である。感応式制御。押ボタン箱と併用して使用する場合が多い。

右折車感応制御 編集

右折レーン上などに設置し、右折矢印時間を自動で調整する。

交通量計測(ギャップ感応制御) 編集

主要道路などに設置し、通過台数を計測し交通管制センターに送信する。このデータを元に制御を調整する。

速度計測 編集

速度超過が目立つ道路などに設置し、速度違反車を感知すると電光掲示板にその旨を表示したり、信号機を赤色に変更することで航行速度を下げる。

バス感応制御 編集

車体長からバスを感知したとき、制御を調整してバスを優先して通過させる。

参考文献 編集

  1. 1.0 1.1 電気計測 2019年3月号 交通管制システム 車両用感知器の種類と役割 電気書院 発行