「古樹脂」の版間の差分

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銀河連邦 (トーク | 投稿記録)
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{{Infobox signal|灯器の名称=古樹脂|画像=[[ファイル:松下通信工業三つ穴樹脂.png|300px]]|画像の説明=新世界に設置されている三つ穴樹脂(松下通信工業製)|製造期間=昭和49年前半~昭和55年頃|採用地域=北海道、愛知県、兵庫県、大阪府、奈良県など|残存数=北海道、愛知県、兵庫県、大阪府、奈良県などに少数|メーカー=小糸工業、京三製作所、松下通信工業、三協高分子、住友電気工業、立石電機(現オムロン)<br>※小糸工業以外は三協高分子からOEM、ODM提供を受けて製造している。小糸工業も一時的に三協高分子からOEM、ODM提供を受けて製造していた。|仕様書=警交仕規|仕様書番号=第24号 (小糸、京三)|レンズ=コイトドットレンズ、コイト格子レンズ、コイト二重格子レンズ、三協網目レンズ|アーム=円弧アーム、一本アーム、完全一本アーム、通常アーム}}
{{Notice|text=このページは明確に文書化された規則や法則、法令などが存在しないので独自研究によるものが非常に強くなっています。参考文献などをお持ちの場合はそれを踏まえて修正することを検討してください。|title=独自研究と個人的な推測が含まれています|style=important}}


古樹脂とは、その名の通り古い世代のポリカーボネイト樹脂製信号灯器のことである(FRP灯器も含める場合もあるが、ここでは敢えて分類)。どこまでを古樹脂と呼ぶかは信号マニアによって様々であるが、昭和50年代前半までの灯器を指すことが多い。
古樹脂とは、その名の通り古い世代のポリカーボネイト樹脂製信号灯器のことである(FRP灯器も含める場合もあるが、ここでは敢えて分類)。どこまでを古樹脂と呼ぶかは信号マニアによって様々であるが、昭和50年代前半までの灯器を指すことが多い。{{Infobox signal|灯器の名称=古樹脂|画像=[[ファイル:Shinsekaimitsuana.jpg|300px]]|画像の説明=新世界に設置されている三つ穴樹脂(松下通信工業製)|製造期間=昭和49年前半~昭和55年頃|採用地域=北海道、愛知県、兵庫県、大阪府、奈良県など|残存数=北海道、愛知県、兵庫県、大阪府、奈良県などに少数|メーカー=小糸工業、京三製作所、松下通信工業、三協高分子、住友電気工業、立石電機(現オムロン)<br>※小糸工業以外は三協高分子からOEM、ODM提供を受けて製造している。小糸工業も一時的に三協高分子からOEM、ODM提供を受けて製造していた。|仕様書=警交仕規|仕様書番号=第24号 (小糸、京三)|レンズ=コイトドットレンズ、コイト格子レンズ、コイト二重格子レンズ、三協網目レンズ|アーム=円弧アーム、一本アーム、完全一本アーム、通常アーム}}


灯器背面にコードを通す穴が3つある仕様は三つ穴樹脂とも呼ばれ、穴が1つのみのものは一つ穴樹脂と呼ばれている。
灯器背面にコードを通す穴が3つある仕様は三つ穴樹脂とも呼ばれ、穴が1つのみのものは一つ穴樹脂と呼ばれている。


== 概要 ==
== 概要 ==
古樹脂は小糸製と、三協製のものに大きく二つに分けることができる。[[小糸工業]]は基本的に樹脂灯器は自社製造を行っている。ただし一時的に[[三協高分子]]からOEM、ODM提供を受けて製造していた。[[三協高分子]]製のものは基本的にOEM、ODM提供したものが中心で、銘板は大手3社([[小糸工業]]、[[日本信号]]、[[京三製作所]])または松下製となっていることが多く、三協高分子銘板のものは愛知県にいくつかある程度である。兵庫県や大阪府は基本的に松下銘板の三協高分子製のものを採用した。また、愛知県などは小糸製、三協製どちらも採用した。錆びないという大きなメリットがあるが、割れやすいというデメリットがあるため全く採用しない県もあった。三協製は昭和50年ごろまで300mm蓋しかなかったが、それ以降は250mmと300mmで蓋が分かれており、300mmのものは[[旧蓋]]と[[新蓋]]が存在する。またレンズ径により[[銘板]]の形式が変化する。小糸製は250mmと300mmでレンズが異なる場合がある。
古樹脂は小糸製と、三協製のものに大きく二つに分けることができる。[[小糸工業]]は基本的に樹脂灯器は自社製造を行っている。ただし一時的に[[三協高分子]]からOEM、[[ODM]]提供を受けて製造していた。[[三協高分子]]製のものは基本的にOEM、ODM提供したものが中心で、銘板は大手3社([[小糸工業]]、[[日本信号]]、[[京三製作所]])または松下製となっていることが多く、三協高分子銘板のものは愛知県にいくつかある程度である。兵庫県や大阪府は基本的に松下銘板の三協高分子製のものを採用した。また、愛知県などは小糸製、三協製どちらも採用した。錆びないという大きなメリットがあるが、割れやすいというデメリットがあるため全く採用しない県もあった。三協製は昭和50年ごろまで300mm蓋しかなかったが、それ以降は250mmと300mmで蓋が分かれており、300mmのものは[[旧蓋]]と[[新蓋]]が存在する。またレンズ径により[[銘板]]の形式が変化する。小糸製は250mmと300mmでレンズが異なる場合がある。


== 小糸製 ==
== 小糸製 ==
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他社共通の三協高分子製筐体+小糸独自レンズの組み合わせのOEM灯器。小糸のFRP灯器(F型、樹脂包丁世代)と自社製樹脂灯器(P型)との間にある過渡期モデル。一時的に調達したものと思われる。またレンズは小糸独自のものだが蓋は[[三協高分子]]製となっている。[[円弧アーム]]設置となっている。これ以降でも各世代で蓋の開閉方向が異なる場合がある。警交なし。
他社共通の三協高分子製筐体+小糸独自レンズの組み合わせのOEM灯器。小糸のFRP灯器(F型、樹脂包丁世代)と自社製樹脂灯器(P型)との間にある過渡期モデル。一時的に調達したものと思われる。またレンズは小糸独自のものだが蓋は[[三協高分子]]製となっている。[[円弧アーム]]設置となっている。これ以降でも各世代で蓋の開閉方向が異なる場合がある。警交なし。


=== 初代 (昭和52年~昭和53年) ===
=== 初代 (昭和52年~昭和54年) ===
小糸P型のレンズが二重になっている[[二重格子レンズ]]を搭載した灯器。小糸自社製の灯器で、背面に三本線がある、レンズ縁にねじ止めがあるという特徴がある。警交23号。稀に警交が無いものがある。250mmと300mmでレンズの違いはない。
小糸P型のレンズが二重になっている[[二重格子レンズ]]を搭載した灯器。小糸自社製の灯器で、背面に三本線がある、レンズ縁にねじ止めがあるという特徴がある。警交24号。稀に警交が無いものがある。250mmと300mmでレンズの違いはない。


=== 中期過渡期型 三協高分子製筐体仕様 (昭和52年~昭和54年) ===
=== 中期過渡期型 三協高分子製筐体仕様 (昭和52年~昭和54年) ===
小糸P型の二重格子レンズ~[[ドットレンズ|ドット]]/[[格子レンズ]]の切り替え付近で一時的にOEMされた灯器。初期過渡期型と違い完全に筐体もレンズも三協製で、銘板を見ないと小糸製だと分からない。銘板のフォーマットも若干自社製の樹脂灯器と違う。旧蓋仕様のものは昭和52年4月まで製造されていたと思われる。それ以降は新蓋と呼ばれる蓋に変更された。昭和52年前半まで警交なし。それ以降では警交23号。
小糸P型の二重格子レンズ~[[ドットレンズ|ドット]]/[[格子レンズ]]の切り替え付近で一時的にOEMされた灯器。初期過渡期型と違い完全に筐体もレンズも三協製で、銘板を見ないと小糸製だと分からない。銘板のフォーマットも若干自社製の樹脂灯器と違う。旧蓋仕様のものは昭和52年4月まで製造されていたと思われる。それ以降は新蓋と呼ばれる蓋に変更された。昭和52年前半まで警交なし。それ以降では警交24号。


=== 2代目 (昭和55年) ===
=== 2代目 (昭和54年〜昭和56年) ===
小糸P型の[[ドットレンズ]]または[[格子レンズ]]を搭載した灯器。小糸自社製の灯器で、背面に三本線がある、レンズ縁にねじ止めがあるという特徴がある。レンズ以外は初代と大きな違いはない。警交23号。250mmは[[格子レンズ]]、300mmは[[ドットレンズ]]となっている。これ以降でも各世代で蓋の開閉方向が異なる場合がある。
小糸P型の[[ドットレンズ]]または[[格子レンズ]]を搭載した灯器。小糸自社製の灯器で、背面に三本線がある、レンズ縁にねじ止めがあるという特徴がある。レンズ以外は初代と大きな違いはない。警交23号。250mmは[[格子レンズ]]、300mmは[[ドットレンズ]]となっている。これ以降でも各世代で蓋の開閉方向が異なる場合がある。


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=== 一つ穴世代(昭和51年~) ===
=== 一つ穴世代(昭和51年~) ===
灯器背面にコードを通す穴が1つのみの仕様。旧蓋仕様のものは昭和52年4月まで製造されていたと思われる。それ以降は新蓋と呼ばれる蓋に変更された。昭和53年ごろまで円弧アームに設置されており、それ以降は普通のへの字アームに設置されている。関東型と関西型で蓋の開閉方向が異なる。形式が固定されておらず様々な種類のものが存在する。この世代で関西型が登場するほか、関東型の銘板も黒銘板と茶銘板と呼ばれるものが存在する。これ以降でも各世代で蓋の開閉方向が異なる場合がある。
灯器背面にコードを通す穴が1つのみの仕様。旧蓋仕様のものは昭和52年4月まで製造されていたと思われる。それ以降は新蓋と呼ばれる蓋に変更された。昭和54年ごろまで円弧アームに設置されており、それ以降は普通のへの字アームに設置されている。関東型と関西型で蓋の開閉方向が異なる。形式が固定されておらず様々な種類のものが存在する。この世代で関西型が登場するほか、関東型の銘板も黒銘板と茶銘板と呼ばれるものが存在する。関東型は昭和52年後半から警交が付くようになった。これ以降でも各世代で蓋の開閉方向が異なる場合がある。


== 日本信号 ==
== 日本信号 ==
京三製作所と同様で樹脂灯器の自社製造は一切行っておらず、三協高分子からOEM提供を受けている。日本信号も他メーカーと比べて樹脂灯器の製造が遅く、昭和前半製造のものは数種類しか存在しない。各世代で蓋の開閉方向が異なることがある。基本的に蓋の開閉方向は松下通信工業と逆である。普通のへの字アームに設置されている。
京三製作所と同様で樹脂灯器の自社製造は一切行っておらず、三協高分子からOEM提供を受けている。日本信号も他メーカーと比べて樹脂灯器の製造が遅く、昭和前半製造のものは数種類しか存在しない。各世代で蓋の開閉方向が異なることがある。基本的に蓋の開閉方向は松下通信工業と逆である。普通のへの字アームまたはなんちゃって二本アームに設置されている。


=== 三つ穴世代 (昭和51年) ===
=== 三つ穴世代 (昭和51年) ===