「包丁未遂」の版間の差分

羽井出 (トーク | 投稿記録)
千葉県などで昭和50年10月製造の包丁未遂が確認されているため、製造期間の情報を更新。偽包丁未遂世代について加筆
情報に誤りがあったため修正
 
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包丁未遂とは、[[小糸工業]]が昭和50年〜昭和53年に製造していた信号機([[初期丸型灯器]])の俗称である。
包丁未遂(ほうちょうみすい)とは、[[小糸工業]]が昭和50年〜昭和53年に製造していた信号機([[初期丸型灯器]])の俗称である。


{{Infobox signal|灯器の名称=包丁未遂|画像=[[ファイル:misui.jpg|300px]]|画像の説明=扇町(大阪府)に設置されている包丁未遂|上位分類=[[初期丸型灯器]]|製造期間=昭和50年~昭和53年|採用地域=全国 (東京都を除く)|残存数=北海道、福島県、静岡県、群馬県、大阪府などに少数|メーカー=小糸工業|仕様書=警交仕規|仕様書番号=(第9号)<ref group="注釈">交通信号50年史. 追録7ページ</ref>, [[警交仕規第23号|第23号]] (最終型のみ銘板に記載)|レンズ=ドットレンズ、格子レンズ|アーム=未遂円弧アーム、直線アーム}}
{{Infobox signal|灯器の名称=包丁未遂|画像=[[ファイル:Preknife.jpg|300px]]|画像の説明=大阪市天王寺区に設置されている包丁未遂|上位分類=[[初期丸型灯器]]|製造期間=昭和50年~昭和53年|採用地域=全国 (東京都を除く)|残存数=北海道、福島県、静岡県、群馬県、大阪府などに少数|メーカー=小糸工業|仕様書=警交仕規|仕様書番号=[[警交仕規第23号|第23号]] (最終型のみ銘板に記載)|レンズ=ドットレンズ、格子レンズ|アーム=未遂円弧アーム、直線アーム}}
== 概要 ==
== 概要 ==
包丁未遂は[[包丁]]の後継機で、包丁の名残が所々残っている。大阪府などかなり古くから丸形灯器を採用している県や、静岡県など小糸製の灯器を多く採用していた県などで比較的見られる。また後代の[[鉄板灯器]]と比べると蓋部分がより厚みがあり、筐体は若干スリムなデザインとなっている。FRP製の包丁未遂については、[[小糸FRP]]のページを参照。
包丁未遂は[[包丁]]の後継機で、包丁の名残が所々残っている。大阪府などかなり古くから丸形灯器を採用している県や、静岡県など小糸製の灯器を多く採用していた県などで比較的見られる。また後代の[[鉄板灯器]]と比べると蓋部分がより厚みがあり、筐体は若干スリムなデザインとなっている。FRP製の包丁未遂については、[[小糸FRP]]のページを参照。


== 分類 ==
== 分類 ==
包丁未遂は以下のように分類できる。包丁未遂灯器と偽包丁未遂灯器を分類することもあるが、ここでは偽包丁未遂灯器の片面灯器も包丁未遂の一部とする。('''包丁灯器を両面設置した偽包丁未遂灯器はここでは包丁未遂の一部としない''')
包丁未遂は以下のように分類できる。包丁未遂灯器と偽包丁未遂灯器を分類することもあるが、ここでは偽包丁未遂灯器の片面灯器も包丁未遂の一部とする。'''(ただし、包丁灯器を両面設置した偽包丁未遂灯器はここでは包丁未遂の一部としない。)'''


=== 偽包丁未遂型 ===
=== 偽包丁未遂型 ===
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=== 前期型 ===
=== 前期型 ===
昭和50年~昭和52年頃製造されたタイプ。上の一本のアームに灯器を接続し、円弧型のもう一本のアームとステーで灯器を支えている。円弧型の下部アームに灯器のコードを通している。また偽包丁未遂型にあった灯器に刺すための穴はなくなっている。銘板の名称は後期型の包丁灯器と同じ「車両用交通信号灯器」となっている。コード穴は背面の左右に二つある。
昭和50年~昭和51年末頃製造されたタイプ。上の一本のアームに灯器を接続し、円弧型のもう一本のアームとステーで灯器を支えている。円弧型の下部アームに灯器のコードを通している。また、偽包丁未遂型にあった灯器に刺すための穴はなくなっている。銘板の名称は後期型の包丁灯器と同じ「車両用交通信号灯器」となっている。コード穴は背面の左右に二つある。


=== 中期型 ===
=== 中期型 ===
昭和52年頃製造されたタイプ。アームも直線アームに変更され、コード穴も背面の中央の一つに減少した。銘板の名称も後代の[[鉄板灯器]]と同じ「金属製車両用交通信号灯器」に変更された。
昭和52年頃製造されたタイプ。アームが直線アームに変更された。


=== 最終型(後期型) ===
=== 最終型(後期型) ===
昭和53年頃製造されたタイプ。この世代から警交付きになった。末期のもので、包丁未遂と後継機の斜め庇との移行時期のため、設置数自体が少なく残存数も少ない。ただし、大阪府では最終型の方が前期型よりも多く残っている。
昭和53年頃製造されたタイプ。、コード穴が背面の中央の一つに減少した。この世代から警交付きになった。末期のもので、包丁未遂と後継機の斜め庇との移行時期のため、設置数自体が少なく残存数も少ない。ただし、大阪府では最終型の方が前期型よりも多く残っている。銘板の名称も後代の[[鉄板灯器]]と同じ「金属製車両用交通信号灯器」に変更された。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==